第2話 友人と試験と暴発。
結構期間が空きましたが、やっと書けました。
本文は短くまとめるのが好みなので読みやすいかと思います。もし前話をお読みじゃなければ、ぜひ読んでいただけると幸いです。
学校が始まり、クラス分けのテストで剣術の実技と筆記試験を終え、クラスは戦闘部門のBクラスへと決まった。
S、A、B、Cとクラスは存在し、Sから順に有力な人材が配属される。
僕がBクラスの理由はただ1つ、中間試験や期末試験でクラス格上げが存在する。自分の知らない知識を下位のクラスから吸収し、上へと昇って行こうという算段だ。
だが、上手くいかない!そう僕に1番足りなかったものだ!それは!
友人の作り方が分からない!どうやったら友達って作れるんだ!?というか作るものなのか?築き上げるものじゃないのか?そもそも、友人のひとつも作れないと、今この時代の状況などを詳しく知ることが出来ない!!
そんなことばかりを考えていたら、いつの間にか中間試験の時期になっていた。
そんな時に唯一僕に話しかけてくれていた、友人常盤わこ。彼女は1人の僕によく声をかけてくれて、非常に助かった。だがしかし!非常に世間の常識から逸脱していて、全くもって欲しい情報が得られなかった。
だからこそ僕は彼女にお返しをした。それは剣術を勉強を教えてもらうことでお互いに得をしていこうと話した。
僕は剣術を指南し、彼女から知識を得た。
僕は寮の自室に戻るとメモをまとめてた。そして分かったことは、いくつがあるがまとめると、一般人は戦うすべがなく、魔の物が侵攻してくると全てが魔祓隊が行っていること。そして魔祓隊は元は祓魔から来ていたこと。最も重要な情報は魔の物を誰一人見た事がないということ。
「魔の物は一体なんなんだろう……僕の時代ではそういうものは多かったけれども、だとしても色々情報が足りない!」
僕の前世では魔の物ではないが、マナ暴走した動物がいた、それを「マナ堕ち」とは言ってたけど……。
「謎だあぁぁ!……はぁ……」
仕方ない試験を頑張ろう……もっと上に行けば学べる、きっと!
中間試験当日。
筆記は全く問題なく終えたが、実技だ。これまた僕は父さんとの試合しか経験がなかった。他の剣術を知らなかったので、他生徒との手合わせでは大苦戦。
常磐は快勝続きだ。僕の教えた剣術と自身の家の剣術を混じえて闘って勝ち進んでいた。だが、ぎこちない。
「常磐、凄いなキミは」
「そんなことないよ、教えてもらったことをそのままやってるだけだよ?」
「そうだとしても、そこまで動ける程になってるとは凄いよ」
「実は……影でこっそり練習はしてたの、ほぼ我流の方になっちゃってる気がするけど、変じゃなかった?」
照れながら話す彼女にどう言葉をかけるべきか……解らん!
「そ、そうだな……素直に言うんだとしたら、様にはなっているけどまだ動きがぎこちないかも?1回1回相手を確認しすぎてるかも」
「んー、でも、そうしないと上手く繋げていけないんだよね……どうしたらいいと思う?」
「簡単なことさ、型の動作の途中……剣を振るう時の動作を連携させていけばいい」
「簡単に言うけど、それ月本くんだからできるんだよ?」
「僕も最初は出来なかったけど、自己流で型を変えていったに過ぎないよ。自分の動きやすいようにね」
「ほんと、言うは易しだね」
試験官が僕の名前と対戦者の名前を呼んだ。
「じゃあ次の手合わせ見てて今まで教えたのを流しでやってあげる」
「出来るの?今まで苦戦してるのに?」
「多分……まあ、観ててよ」
常磐に今まで教えた型。
1、受け流し
2、横払いの2撃
3、柄頭での打撃
4、距離を取り刺突
5、居合
居合に関してはこの木剣ではほぼ意味を成さないが、父さんが得意とした初撃に使う戦法。完璧に習得できてるとは言わないが不意打ちとしてはもってこいだ。ちなみに今までの手合わせで使おうとしたが、相手が速攻タイプの戦法で構えをとれなかった。だが今回の相手は今までと違い敵を見てくる同じクラスの轟君だ。
「両者位置に着きましたね。では始め!」
「月本、俺に勝てるかな?」
轟は木剣を両手持ちし右肩に寄せ構えた。
「うーん、まあ君には快勝できるつもりでいるよ。僕は剣の使い方まだ不慣れでね」
「ふーん、じゃあ行くよ」
大きく歩みを進めて詰め寄ってきた。
「受けきれるか!!」
勢いに合わせ振り下ろしてきた、それに合わせ僕は相手の動きを予測し木剣の側面で受け流す。すると勢い任せだった轟くんは体制を崩す。そこを柄頭での打撃をみぞおちに打ち込む!そして少し距離をとる。
「っげぇ!おま……え……!!」
「なんで?って?まあ、ただやりやすかったからだよ」
「っざけんな!」
大振り……これには……まず刀身に横払いを一撃入れ、切り返しでもう一撃。そして体制がまた崩れた轟くんの懐へもう一撃。
これには参ったのか1度距離をとって腹をおさえている。
「なんなんだ!お前さっきから!」
「なにって、普通のことしてるだけですよ」
「普通じゃねぇよ!そんな打撃ばっか執拗に入れるのは!」
「でも、そんなに距離を取っちゃダメだよ」
木刀を腹脇に構え居合の構えをとった。
「行くぞ」
息を大きく吸い地を大きく蹴った。瞬間相手の前に出て木剣を振り抜く!すると脇腹に当たり鈍い音が聞こえ轟くんが仰け反った。
「そこまで!」
試験官の一声で手合わせは終わった。
すると今までと違い歓声が上がった。
「何やったんだ最後!」
「すごい詰めだったな」
「あんな勢い、素人じゃないだろ!?」
轟くんも驚いたかのような顔つきで口を開いた。
「なんで、そこまでできるのに今までやらなかったんだ」
「いや、今のは咄嗟のことで自分でも驚いてる」
「ともかくいい手合わせだった、ありがとな」
「お礼なんて一応これ試験だよ?」
「いや、あんな動き見れただけでも有意義だったって思えるから礼を言ったまでだよ」
妙に大人びた言葉を言うじゃないか、本当に同い歳か?
「では次の手合わせの―――」
だが、確かに自分でも驚きだ、最後意識せず動こうとしたら魔術が発動していた。今までこんなこと無かったぞ、クイックの魔術が暴発……いや、暴発なのか?流石に違うか……?
「おめでと、上手く勝ててたし凄い動きだったね」
「ああ、常磐キミか……いやちょっと自分でも最後が疑問でね」
「疑問?なんで?」
「いや、なんか……」
あ、魔術のことは言わない方がいいのか……?いや確証もないし止めておこう。
「なんでもないよ。とにかく次最後でしょう?集中してきなよ」
「うん……わかった」
常磐が離れていくのを確認し、本当に暴発だったのか確認するために、道場へ向かった。するとそこに轟くんもいた。
「あれ?どうした?」
「あぁ、さっきの最後の動き確認するために……」
「ああ、なるほどな、でもさっきのお前の目が一瞬だが赤くなったように見えたがなんか鍛錬で培った剣術かと思ったぞ?違うのか?」
「目が赤く……!?嘘だろ……」
それって補助魔術の構成マナの原色……。
マナにはそれぞれ原色がある、攻撃魔術は緑。防衛魔術は青。補助魔術は赤
他にもいろいろ有るが……いや、まさか無詠唱の意識下で発動していたって事か!?不味くないかこれ……。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ああ……うん。すまんちょっと戻る……」
「おう?まあ無理すんなよ」
道場を出てから思考が止まらない。暴発といえば暴発だが意識だけで発動したということは、これこの時代のマナの豊かさのおかげでなし得た技術ということか?だが、なんでだろう……。
ブツブツと考えながら試験会場に戻ると既に試験は終わったあとで、女友達と常磐がすごく喜んでいる様子が遠くからでも窺えた。
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少し前に時間が遡り遠い森の奥。
「…………へえー。なんか凄いの感じたぞ」
「そうか、どうする?」
「いや、まだ。まだ動かない方がいいしばらく潜んでいる方がいい」
若い男女が話を終えるとフッと姿が消えていった。
読んでいただきありがとうございます。
実は最後の2人突発で出しました。
ですが話の流れでは正しい位置で出せているので、自分でもこの後書くのが楽しみになってます笑