表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さいかと私とママ  作者: ほっかいろ
8/19

オーディション

 いよいよオーディションです!

家に帰り、ママにこのことを話すと、頑張りなさいと、何度も何度も言ってきた。

 そして、私の猛特訓が始まった。

 オーディション用の紙には、

 「かんなちゃんは優しい子だよ。

  大丈夫。自分を信じて。

  今すぐ行ってあげて。

  今すぐ!

  もしも喧嘩になっても、私が悩みをきいてあげるから。

  ね?

  ほら、早く!」

 と、かいてあった。私はそれを常に持ち歩き、時間さえあれば練習した。

 そうしてる間にじかんはあっという間にすぎ、オーディションの日がやってきた。

 時間よりも二十分早く来て、番号プレートをもらい、フロントで待った。

 今回はちょい役だったから受ける人数も少なく、一人ずつだった。

 「6番さん」

 私の番号だ。

 部屋に入ると、審査員がざわめいた。

 「君、さいかちゃんの妹さん?」

 審査員の一人が訪ねる。

 「はい。」

 七光りは嫌だったから、履歴書には書いてなかったはずだけど、顔でばれたようだ。

 「じゃあ、やってみて。」

 「はい。」

 私は心を落ち着かせた。

 「か、かんなちゃんは優しい子だよ。、、、、」

 私が一通り台本を読み終えると、審査員の人たちは特に表情なく、紙に何かを書いていた。

 「じゃあ、もういいよ。」

 「ありがとうございました。」

 私は部屋をでた。

 フロントに戻ると、ママが落ち着かない様子で待っていた。

 ママは、オーディションの時には必ずきてくれる。

 「どうだった!?」

 私を見たとたん走ってきた。

 「うまくできたよ!」

 わたしは笑顔で答える。

 それから席に座り、審査の結果が出るまでしばらく待った。

 緊張で、黙っていた。

 雨の音がやけに響いていた。


 第八話です。ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ