佐々木先生
ゆめかの心のよりどころ。
次の日、学校に行ったらいじめられるかと思い、憂鬱だったけど、学校ではいい逆に扱いだった。
でも、それがむしろ嫌だった。口では説明できないけふぉ、とてつもなく嫌だった。
そういう悩みを聞いてくれる親友のみおが今日にかぎって休みだったからなおさらだ。
昼休み。遊ぶ人もいなかったので、クイズやパズルがある、保健室に来た。
「失礼します。」
保健室は、落ち着く匂いがした。
今年は先生が変わったから、ちょっと緊張する。もう二学期なのに、まだ来たことがなかった。
ソファに座ってパズルを始めると、先生が話しかけてきた。
「あなたはえっと、ゆめかちゃんだよね。」
「まだ一度も保健室に来てないのにどうしてわかるんですか?」
「だって最近ゆめか、さいか、うるさいもの。」
ああ、さいかのサインでももらってきてとでも言うのかな?
「私は、佐々木 優子です。佐々木先生ってよんでね。」
「あ、はい。」
「ねえ、ゆめかちゃんもあのオーディション受けたの?」
「はい。」
「へー、オーディションって、どんな感じなの?」
「えーっと、まず、、、」
結局その日は、さいかのサインを求めてくることはなかった。
なんだか佐々木先生は、好きになれる気がした。
第五話です。ありがとうございました。