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さいかと私とママ  作者: ほっかいろ
14/19

お湯

 さあ、ばれてしまうのでしょうか?

 「何でもないよ。」

 私はできる限り平然と答えた。

 「じゃあ見せなさい。」

 口調からして不機嫌極まりない。

 「えー、友達と描いた絵だから。恥ずかしいよ。」

 必死に弁明すると、

 「見せなさい!」

 と、怒鳴ってきた。

 お腹の底のの底から恐怖が込み上げてきた。

 「ごめん、トイレ!」

 私はそう言って逃げようとしたが、腕をグイっとつかまれた。

 「いいから見せなさい!」

 ものすごい剣幕で怒鳴るママに、おじけずきそうになった。

 でも、でもまたあんな思いしたくない。

 さいかと比べられて、たたかれる。

 あんな化け物みたいなママをみるのもやだった。

 「私、消しゴムとりに行かないと。」

 足が震えた。

 とたん、ママが手をあげた。

 と思ったら、壁まで飛んでった。

 痛い!

 「あんた昨日から生意気なのよ!」

 そういって、ママは私のポケットから紙を奪い取った。

 そして一瞥すると、私を蹴った。

 「なんでこんな重要なものを隠すのよ!」

 そういってまた私を蹴った。

 「痛い!」

 おもわずそう叫ぶと、

 「痛いじゃないでしょ!ごめんなさいでしょ!」

 と、と言ってまた蹴った。

 痛い!痛い!痛い!

 痛くても痛くても、ごめんなさいなんて言いたくなかった。

 今まで悪いことをしても、ごめん、だったのに。

 ごめんなさいって一言でも言ったら、もう関係は二度と元に戻らない気がした。

 なかなかごめんなさいと言わない私を、ママは無理やり立たせて、台所まで連れて行った。

 怖い。何をされるんだろう。

 ママは、コーヒーを作るために沸かしたお湯が入っているポットを持った。

 危ない!

 逃げようとする私の右手をがっしりと掴み、

 「きゃあああああ!」

 ママはお湯をかけた。

 熱がる私を、ママはニヤニヤ見ていた。

 ママは、もう人ではなかった。

 ママはポットを見せつけながら、

 「なーんていうんだっけ?」

 と、勝ち誇ったように言った。

 「、、、ごめんなさい。」

 「声が小さい!」

 そういってママはまたお湯私の右手にお湯をかけた。

 「熱い!熱い!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 そう言うと、ママはやっとポットを置いた。

 「わかったなら、部屋に戻って勉強しなさい。」

 そう言うと、私の手を離した。

 私は勉強道具を抱えて、洗面所に行き、手を冷やした。

 お湯は沸騰していて、100℃は越えてたから、私の腕ははれ上がってた。

 保冷剤を取りに行こうとも思ったが、ママがいる台所には、絶対行きたくなかった。

 私は仕方なくタオルを水で濡らして、自分の部屋に行った。

 第十四話です。ありがとうございました。

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