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わたしのきもち  作者: 冬野雪実
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 別に、なんてこと無い。

誰にだってある、普通の事。

ちょっと、また失敗しただけって事。


 何も始まっていないのだから、落ち込む事すら不必要なはず。


 話の振り方を間違えた。

それを訂正…いや、言い訳をしたくて、わざわざTwitterのダイレクトメールに長ったらしい文章を送ってしまった。

送った直後に既読の色に変わったから、一応確認はしてくれたんだろう。

でも、返信不要と書いておいたから、当然反応は無し。


 会える相手では無い。

かと言って、他でコンタクトが出来ない訳でも無い。

コミュニケーションを取れる場所はある。

でも、それは、その他大勢の一人として。


 うざったらしい女だと思われただろうなぁ。

わざわざDM送るだなんて…。

送った直後に後悔した。


 似たような経験は、幾度もある。随分と昔だけれど。

だから、自分の心に傷を付けずに済む方法を私はもう習得している。

ただちょっと久々の感覚に、頭と心が追い付いていないだけ。


 うん…そうだ。大丈夫。

ちょっと落ち着けば、ちょっと時間さえ経てば、心はいつものように灘らかになるんだから、大丈夫。




 もし、この感情を言葉にするなら…たった一つの単語。

だけど一旦、言葉という形にしてしまうと、自分に暗示を掛ける事になる。

それはもう、恐ろしい程に効果のある自己暗示。


 昔は喜ぶことばかりだった気がする。

簡単に口に出しては舞い上がって、泣いたり笑ったり…。時には包まれたり。


 あの頃の無防備な感覚には、もう戻れない。

年齢を重ねる毎に、心に幾重にも鍵を掛けてきた。

鍵を一つ一つ外すのは、面倒臭い。

正直に言えば…凄く怖い。


 臆病になっていくのは、経験から?

それとも久しぶりだから?

そのどちらもが要因かもしれない。


 認めてはいけない。

言葉という形にしてはいけない。

そうしてその内、忘れる。


 大丈夫。大丈夫。

これは一時的な物。

そう。何も考えず、知らない顔して時間が経つのをただただ待っていれば良いだけの事。



 悩んで落ち込んでいる時点で、既に手遅れなのかもしれないけれど…。





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