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異世界に召還された三人目  作者: こたつねこ
第二章 三人目の村の生活
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2-2 三人目、村の生活を守る

段々描写が怪しくなってきました。


それでも読んでいただけると、うれしいです。

 弐章ノ二 三人目、村の生活を守る


 

 家に有るベッドは藁敷きに麻っぽいシーツを掛けた簡素な物だが、暖炉の近くに置いてあり、外は寒くても火さえ熾していれば暖かい。もっとも朝には火が消え掛けていて凍えそうになるくらい寒い。

 

 そんな辛い朝に起き上がり、暖炉の上に掛けてあったケトルからぬるくなったお湯を洗面用の桶に注いで、顔を洗う。その残り湯を馬小屋に持って行き、湯で濡らした布を絞ってゼピュローラの顔を拭いてやり、そのままブラッシングしていく。

 

 寒い朝は苦手なんだけど、馬の世話は忘れられないしね。その後は馬小屋の掃除をし、餌を与えて母屋に戻る。

 

 暖炉の灰を掻き出すと、まだ小さい残り火が出てくる。薪を足して火を大きくする。昨日のスープは残ってたかな? 鍋を見てスープの残りを確認し、ケトルに水を足して湯を沸かす。

 

 燻製肉とチーズを取り出し、お茶用の薬草をポットに入れてお湯が沸くのを待つ。パンが残り少ないから後で買ってこよう。パンに切れ目を入れて燻製肉とチーズを挟んで、暖炉の火でちょっと炙る。

 

 チーズがとろけてうまそうだ。ちょうど沸いたお湯をポットに注いで、蒸らして待つ。焼けたパンに齧り付きながら、取っ手のない焼き物の器に薬草茶を注いで、ふーふーと息を吹きかけ冷ましながら飲む。

 

 最近の趣味は木材いじり。スキー板でも作れば移動がラクじゃね? って思いからだ。あまり長いと小回りが効かないし、短いと新雪で埋まりそうだから、一メートル弱で作ってみた。


 最初、適当な長さの細い木の板を二枚作ってその上に乗って厚手のブーツごと縄で縛ってみると滑らない。これじゃただの長いかんじきだ。板と靴を丸々縛ったのがいけない。材料も竹だと良いんだろうが、少なくともこの辺りでは見かけなかった。


 改めて設計し直した。形、靴の置く場所、縄を縛る構造等、それから切った木材の表面を出来るだけ滑らかにする為、ヤスリで削り、ちょっと勿体無かったが、高い蝋燭を塗ってみた。

 

 記憶にあるスキー板とは程遠いが、それなりの速度でに移動が出来るくらいには滑る事が出来た。

 

 うほほー! あやしい嬌声を上げながら雪道を往く俺を、村人は可哀相にと言う目で見ていたが、履いているスキー板の良さは分かってもらえたようだ。決して俺が必死に弁明したからじゃ無い。


 元から、かんじきで移動していた村人はスキー板の早さに驚いた。そうすると、次に来るのは注文、沢山作らなければいけなくなった。


 どうしてこうなった。



  ◆◇◆◇◆◇◆◇



 上り坂が大変とか、滑り降りる時に直ぐ止まれ無いとか、色々要望を聞いている内に、最初のスキー板の形からから外れて、何だか特殊な長かんじきになりつつあった、そんなある日。


 村の近くで兎を獲っている狩人が、村長にある事態の報告した。

 

 南側にある川の向こうに深い森が見えるが、いつもならありえない数の獣が出てくる。兎を始め、狐、鹿、猪、それに熊も少ないが確かに居るのを見た。そんな話を村長にしてる。何故か俺まで村長宅でその話を聞いている。


 別に俺だけじゃなく、主だった顔役の老人達が一緒に話を聞いていた。兎や狐ぐらいなら狩人も喜んでいたが、さすがにこの獣の多さは異常らしい。聞いてみると今までこんな事は起きたことが無いとか。

 

 うーん、何かの前兆かな? 俺には判断がつかないぞ。ふと周りを見ると、村長を始め狩人や他の顔役まで俺を見てる。


 ……こっち見ないで。

 

「ケインさん、これをどう考えますか?」 むしろ俺が知りたい。


「今まで、こんな事が起きたことは無かったそうなので、私にも何がなにやら想像が付きませんね。でも、森を見張った方が良いのは確かでしょう」


 それっぽい事を言ってみる。言うだけならタダだし。

 

「そうですな、川を挟んでこちら側に見張りの為の小屋を作りましょう。それで何人か交代で見張るべきでしょうな。ケインさんも協力してもらえますか?」


 全然タダじゃ無かった。がっくりきたのを顔に出さず、うむと了承する。

 

 さすがに小屋に泊り込む事は無いが、夜の見張りはキツそうなので三人で、昼間は二人でする。何かあれば村へ駆けつけて報告。そう言う事になった。


 まさか野生の獣が村を襲う事など有り得ないと思っていたが、万が一の事を考えて置かねばならない。音が出る矢、 鏑 矢 (かぶらや)だっけ? あれがあれば良かったのだろうが今は無理だ。でも今度試しに作ってみよう。

 

 川には簡素な橋が掛けてあるが、いざと言う時には落とせる様になってる。しかし、冬の川は水の流れが浅くて緩い、人間でも深い所でせいぜい腰ぐらいだそうだ。

 

 狐ぐらいの大きさの獣なら渡らないかも知れないが、猪だったら渡って来るかも知れない。鹿や熊なら余裕だろう。

 

 念のために川のこちら側に、川沿いで約百メートルの長さで丸太の防御柵を作った。横に積むか悩んだが、鹿や熊の対策重視で丸太の先端を尖らせて、外に向けて並べた。昔見た映画の真似で、騎馬相手の防御柵だ。うまく行くとは限らないが。



  ◆◇◆◇◆◇◆◇



 晴れた昼間はいいとしても、雪が強く降ってる昼間や、夜の間の見張りも大変だ。まして降雪の強い夜なんて、川どころか自分の手前二メートル先も見えない。


 来るか分からない獣達を待つのもツライ。素焼きで出来た火鉢で暖を取ってても小屋の中は寒い。雪は降ってないが、月も無い夜に川辺に一つだけの焚き火で見張りだ。熊って夜行性だっけ? 鹿は少なくとも夜行性だったような……


 野生動物が全部、昼行性だったらなぁとか余計な事を考えてると、甲高い、犬だか鳥の様な鳴き声がした。これは──鹿だったと思う。


 慌てて小屋を出て、川向こうに視線を向けると、そこには何十頭か分からないくらいの鹿が居た。一人に村まで走ってもらう。荒れ狂った鹿の角は怖い。村に向かったら大惨事だ。鹿の群れは川まで来ると立ち止まり、大半が川沿いに北西に向かった。


 それでも何頭か、狂ったように川を泳ぎ渡って来る。もう一人の村人に攻撃しないでいいから、矢筒を持たせて矢を手渡してくれるように頼む。矢の本数が頼りないが、時間稼ぎしないとな。

 

 柵を外れそうな数頭を、脚の付け根を狙って射る。もし頭を狙って射殺せないと後が危険だ。矢が刺さって川の途中で溺れたり、川を渡っても脚を引きずって動けなくなった鹿は無視して、柵に突っ込んで来るヤツを相手にした。


 数本撃ったら矢が無くなり、槍での応戦になる。手伝っていた村人に、傷を負った鹿の止めを頼むか迷ったが、手負いの獣は危険なので、逃げろと怒鳴り村へ行かせた。


 残った俺は、ここで出来るだけ足止めだ。万が一抜けたヤツはカンベンして貰い、村の方の人間で処理して欲しい。

 

 丸太に突っ込んで傷を負って立ち止まった鹿を、介錯とばかりに首を突く。槍で首を刎ねるのは鹿じゃ大きすぎて出来そうも無い。


 柵の間をうまく使って、丸太を盾としながら攻撃する。角を向けて襲ってくるヤツには効果的だ。脚を切り飛ばし、目を突き刺し、心臓を狙って十何頭か突き殺していると村から助っ人が来た。

 

 狩人には丸太の間から矢を射ってもらい、その他には手負いの鹿を槍で止めを刺してもらった。どうやら村へ抜けた鹿は居なかったらしい。ちょっと安心した。


 こちら側の鹿を粗方倒し終わった頃、川の向こうにはもう鹿の群れは見えなかった。ほとんどが走り去った様だ。ここに居る狩り取った鹿でも三十頭近くだし、どれだけの規模だったのだろう。

 

 それからは鹿の処理で忙しかった。本来なら他の部分も採るのだろうが、今は腿肉を取る為に後脚だけ切取って、他の部分は埋めたりした。他に欲しい者だけが持って行くそうだ。俺は疲れた頭で、荷馬車に乗った何十本もの腿肉を見て考えてた。


 あー、生ハム喰いてぇ。

 

 

 

ほぼ想像で書いております。

無理があるとかは、黒歴史と言う事で……


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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