グニパイセンとの語らい
ゲームはハードモードでプレイして途中で挫折する派。
「あのー、先輩は俺と違って普通の顔なんすね」
「ん? ああ、顔かい。これは変化させてるんだよ。あまり怖いと死者も驚いてしまうからね」
「え? そんなことができるんすか?」
「うん。言ってなかったっけ?」
なんてこった。っていうか、聞いてねえよ。もうちょっと早く教えて下さいな。
「じゃあ、先輩も実は結構怖い見た目だったりするんすか?」
「ふふふ、どうだろうね。もしかして、見てみたいのかい?」
「え? あーいや、それは遠慮しとくっす」
「そうかい? それは残念だねぇ」
何かめっちゃ怖そうだから、藪蛇になるようなことは止めておこう。
グニパイセンはいつもニコニコしているけど、こういう人に限って怒った時はめちゃくちゃ怖いんだよな。
「そういえば、人界ミッドガルドの戦争を止めるように、ヘル様からお言葉を貰ったんだって?」
「あっはい、そうっす。先輩もじゃないんすか?」
「いや、僕達は言われてないよ。たぶん君だけじゃないかなぁ」
え? 俺だけなの?
「あの、なんで止めに行くのが俺だけなんすかね?」
「みんな死者をたくさん抱えてて大変なんだよ。死者に安寧を与えるために冥力を集めないといけないからね。とはいえ、それも農耕を始めてからは改善されつつあるんだけどさ」
「はぁ、農耕っすか」
それでこの前、農耕を覚えた死者を引き抜いていったのか。
まぁ確かに自給自足してもらわないと冥力が足りなくなるからなぁ。
「それになにより、僕達がみんな出てきたらオーディンも黙ってはいないよ。それこそラグナロクが起きちゃうね」
「はぁ、ラグナロクっすか」
「あはは、分かってなさそうな顔だね。ラグナロクっていうのは運命の女神ノルン達が予言した神々の戦争のことだよ。あまりの激しさに世界が崩壊してしまうんだってさ。それでオーディンはラグナロクを乗り越えるために力を集めているんだ」
「ほえー」
それであの暴力乙女は、ラグナロクラグナロクうるさかったのか。
「まぁ、ラグナロクが発生したら冥界も死神達を出撃させるかもしれないけど、今はガルム君の働きに期待ってことさ」
「なるほど、そういうことなんすね。了解っす」
ラグナロクっていうのは、運命の女神ノルン達が予言した戦争だったのか。
滅びの予言というと、二千年問題みたいな話かな?
「そうだ、ラグナロクが来たときのために死者を訓練させておいてくれないかい? もしかしたら必要になるかもしれないからね」
「あっ、はい。了解しましたっす」
この間、グニパイセンから送られてきた千名の死者はゴトランドの王国民がほとんどだ。
中には元兵士って感じの人もいたので丁度良いだろう。
「あの、ちなみに運命神ノルンっていうのはノルサンと何か関係が?」
「ああ、ノルン三号かい? ノルン達は強い運命を持つ者を導くために、己の分身である使い魔を派遣しているんだよ。それで彼女達なりに予言に立ち向かっているのさ」
「はぁ、強い運命っすか」
なんだ強い運命って。
まぁ、よく分からんがノルサには助けられてるから、ノルンは良い人達っぽいな。いや、良い神達か。
「そういうわけで、僕たち死神一同は君に結構期待しているんだよ?」
「あっ、はい。頑張りますっす」
「はっはっは、まぁ、無理しない程度に頑張ってね。あと今日の献立は何だい?」
バシバシとグニパイセンは俺の背中を叩いた。
ブログで先行配信してます。
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16話の構成を変えて、これが17話になりました。前話を見てない人は確認よろしゃす。




