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偽国戦記  作者: ブレヒトさん
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2018/1/13 宗教の項にホアン、カグツチ追加。さらに、邪教徒の項に幹部追加。

世界

 現実界は三つの大陸からなっている。それぞれが、ちょうど三角形の頂点に位置しており、カイが召還されたのは、そのうちの上部、上に弧を描く三日月状の大陸である。


大陸

 中央から西部にかけて、資源が少ないながらも最大の領地を持つシュテルクス帝国が位置し、北部には高原が広がり、戦上手な小国がいくつも点在している。南東部には、レオーネの家が治めるグラナトゥム公国の主国であるケルサス王国が存在する。


ケルサス王国と衛星国家

 ケルサス王国は、豊富な魔術資源に恵まれ、他国に輸出することで大きな財を得ている。大陸で最も豊かな国である。そのため、他国の侵入が懸念されるが、西部にあるデュルイ伯爵家が治めるカリブルヌス騎士団国が、強大な軍事力でにらみを利かせている。穀物の生産は、東部にあるグラナトゥム公国が、豊かな土地でグラナトゥム家の魔術の特性を活用し、大規模生産を行っている。

 本国と二つの強力な衛星国家のバランスが、この国を大国として成り立たせている。


大陸の現状

 帝国はケルサス王国に多くの資源を頼っていたため、本気でことを構えることが出来ずいる。両国間には多くの問題があったが、それでも現在の関係は良好といってよい。さらに、軍事国家である騎士団国は、他国の紛争に住民保護のために派兵することがしばしばで、各国に貸しをつくることで余計な争いごとを防いでいた。それも帝国侵攻の妨げとなっている。グラナトゥム公国も、穀物を王国経由で他国に輸出していたため、この三国からなる王国が躓かれるのは、他国にとって死活問題であった。

 結局のところ大陸は安定しており、本気で戦争を仕掛ようとする国は、他国から潰されるのを恐れるあまり、些細な領土紛争を繰り返すだけであるのが現状である。


貴族について

 他の種族を魔力でもって淘汰した結果、貴族階級となった。

 人口の1.5%ほどを占め、ほぼ全てが魔力を持つ。持って生まれた特性から、魔術師と騎士に別れる(騎士及び魔術師の項参考)。 魔力を持ったものからしか魔術師(騎士)は生まれないが、片親が貴族でも、一桁パーセントの割合で魔力を持った子が誕生している。

 なお、ごくまれに平民同士から魔力を持った者が生まれることがあるが、大半が貧乏貴族の養子となるか、士官学校を経て、軍人となるのが普通である。


魔術師

 被造物、あるいは世界自体に干渉することを得意とするもので、そこから力を取り出し、形を与えることが出来る。火や水を創造、土人形を作り出すなど幅広い能力を持つ。


騎士

 世界に干渉することは不得手であるが、己の体に魔力をみなぎらせることが出来る。身体能力を強化し、岩をも両断するほどの膂力を持つが、そのためには自身だけではなく、魔術師の力が必要とされる。


 上記の通りであるが、通常は騎士を自称する。どちらに分類されるかがばれてしまえば、対策が取られやすいからである。しかし、大きな戦がなかったため、このしきたりは形骸化している。


使い魔

 多くが幻想種。飛龍、火の精などの四元素の精、ユニコーン他。

有名なところでは、かつて大陸を恐怖に陥れた、狂騎士ハルベルトの三つ首の悪魔ナスターシャがいる。

 主君との繋がりの強さはそれぞれ異なるが、一方が手傷を負えば、もう片方も無事ではいられない。大抵は主に忠誠を誓うが、強力な自意識を持った種族などは主は認めないため、洗脳を施すこともある。あるいは、繋がりを魔術で消した上で殺害する。そうしなければ、主ともに自己矛盾により自壊する。

 召還には大きな危険が伴うため、大貴族は行わないのが定説である。むしろ新興貴族や、平民上がりの騎士が出世を狙い、賭けとして行う場合が多い。

 他にも、個人に仕えるのではなく、その家に仕える使い魔も存在する。


登場人物と所属国家

 ケルサス王国 本国 

  主神 大母神/月女神:マーテル

  君主 賢王/簒奪王 ルーメン・オムニブス・ケルサス

  王弟 レークス・ウンブラ・ケルサス(グラナトゥム公国 レナータ公女は妻)

   他、王子、王女以外の主だった王族は死亡


 ケルサス王国の衛星国家

  グラナトゥム公国

   主神 豊饒の神:マイア

   公王 コラード・アルモニーア・グラナトゥム  

   第一公女 レナータ・ステッラ・グラナトゥム 王位継承権第一位

   第二公女 レオーネ・エネルゲイア・グラナトゥム

     王位継承権第三位(実質七位)


   サラ・マンスフィールド 第二公女個人近衛騎士・公国近衛騎士

    (元 サラ・プロテイル・フラーダリー 子爵令嬢)

   ブリギッタ・ラスコーシヌイ・ペトロヴナ

    公国近衛騎士 男爵令嬢 魔術術式学士 等

   ライラ・ノービリス


  カリブルヌス騎士団国

   主神 戦神:アルファス

   領主 カリブルヌス騎士団団長

    エルネスト・ノスタルヒア・デュルイ 辺境伯(先王は魔力を失い、隠居)

   オーギュント・エンロケセール・デュルイ


   ザイオン・アルミーニオ・ピエードラ 旧 カリブルヌス騎士団 副団長

   ザイール・ポタシオ・アレナ 教導騎士団団長

   オブザル・ソーディオ・シャルフ アエス騎士団 兼 教導騎士団


 マルブ魔術機関自治区 

  領主 ガイゼリック・ソーコル・モノオクルス

  コール・イラ・パラノーマル (元 神聖グローロリア マルティス騎士団団員)

  クシェル・ツァールトハイト


 ヘリオス帝国

  女帝 ウラニア・ホドース・ヘーリオス(剣聖)


 都市国家ベスティア

  国王 エト・ウォルフ・エイラート(慧聖)


神聖グローリア

 主神 親愛の女神:アーティファ

 かつて存在したエルフ族の血を引くといわれていたが、7年前邪教徒により滅ぼされた。アーティファ信仰の総本山であり、王族はエルフから受け継がれた特殊な能力を持っていたが、それが邪教徒襲撃を招いたといわれている。

 城一帯は、邪教徒の使用した禁呪により深刻な汚染に見舞われており、誰も立ち入ることは出来ない。精強と名高いマルティス騎士団を持ってしても、邪教徒の呪いを防ぎきれずに滅亡した。

 マルティス騎士団は、かつて剣聖メリザンドと共に狂騎士ハルベルトと使い魔である三つ首の悪魔ナスターシャを討ち取った。

 なお、マルブ魔術機関に所属するコールはその生き残り。


宗教

 カイの世界である英知界を信仰するヌース真教が主で、世界そのものを信仰し、多神教である。その神は完全数である28柱であるとされているが、教説によって異なっている。そもそも神に数を当てはめること自体、不敬であるとする教説もある。

 信仰心の程度は国によってまちまちで、それぞれの地域、国で異なった神を象徴として信仰している。


大母神/月女神:マーテル

 大陸で最も崇められているのが、全ての魔術師の母とされるマーテルである。あらゆる生物に寄り添い、罪人にも変わらぬ愛情を示す。見守り、育て上げることがマーテルの真理である。さらに、わが子らを良き者として育て上げるために、この世界の秩序を守るとされている。

 しかし、その秩序保全の信仰は、時に排他主義に利用され、邪教徒の蔓延る遠因ともなった。アーティファと共に愛の女神として知られる。

 世界で最も信者数が多い。ケルサス王国で主神として信仰されている。


冥界の神:サイレス/豊饒の神:マイア

 冥界の狼神にして豊饒の女神でもある。冥界において、審判者として在る。全ての生物はそこで、彼/彼女と対面しなければならない。その際、罪深きものに対しては、恐ろしい呵責の化身の大狼として、そうでないものには可憐な少女として現前する。

 死を体現することが転じて、豊饒の神として信仰されるようになった。

 主にグラナトゥム公国で信仰されている。


夫婦神 戦神:アルファス、親愛の女神:アーティファ

 戦をつかさどる神。そのはるか昔、大陸がもう一つ存在した頃、全ての大陸を平定し支配したとされるオークの大王が生きながらにして神となった。

その妻であり、エルフでもあった巫女アーティファは誰よりも民を慈しみ愛した。彼女がアルファスの怒りを沈め、無益な殺生を禁じたことが世界統一を可能にした。

 彼女は愛の女神となり、マーテルに続いて、多くの信者を有する。

 アルファスはカリブルヌス騎士団国で信仰されている。

 王家がエルフの血を引くとされていた神聖グローリアは、アーティファ信仰の総本山であったが、邪教徒の襲撃により今は滅んでいる。


食人神:カーニバル

 老人の姿で描かれる。世界の中から、一定の数の子供を、決まった時期にさらい、食すとされる。荒神として、あるいは悪魔のような存在とみなされる場合が多いが、信仰している国(主に亜人が多く住む場所)は少なくない。

 彼らによれば、現世は苦痛にまみれた地獄の第一層である。人はそこから抜け出すことを義務付けられ、そのために功徳を積むのであるが、それには想像を絶する困難が伴うとされる。

 しかし、カーニバルは、自らの手で汚れのない幼子を食餌として選別、救い出してくれるため、救済の神とみなされるのである。彼らの教説によれば、カーニバルに食された子供は、世界を導く英雄として再誕する。

 一部の宗教学者は、この救済史観は亜人達が長い間迫害されてきたことから生じたと主張し、さらに、亜人(オーク)であったアルファスよりも、カーニバル信仰が盛んな地域が見られることから、亜人が先験的に暴力的だという説を否定する根拠としている。


縁の神:ホアン

 艶かしい遊女の姿でもって現れた女神。狐の耳に幾本もの尻尾を持ち、現世では山の神とされる。それは、山林が生死をサイクルとした縁を端的に表しているからである。

 遊女の姿をとっている理由は定かではないが、ヒトにとって彼女が管理する縁というものがあまりにも脈絡が無く、悲劇と喜劇に溢れており、そんな不合理な定めを負わすのはきっと遊びほうける遊女のような神に違いないと見なしたことも関係している。ホアン自身が言うには、自らの不明を神に返すヒトの行為を面白がり、皮肉をこめて自ら遊女の姿をとることにしたらしいが、いつも言うことが適当であるため、実際は分らない。

 尻尾の本数はその世界での彼女の力を現しており、現世では最小の一本しかない。けれどもその力は絶大で、供え物に不備があったりすれば、癇癪をおこして凶作や災害が襲う。


エネルギーの神:火の公方、カグツチ

 身の丈数百キロにもおよぶとされる神龍。マーテルが現世を作り出すにあたり、熱量を供給するために招いた。

 現世では火の神とされている。人格神であるから感情はあるが、これといってヒトや世界に求めることはない。それも命には何も期待していないからであり、当然思いやりもない。

 かつてヤーヘンほか多数の国家、種族に崇められたが、社会が発達するにつれ、自然崇拝に近いカグツチ信仰は力をなくし、法や無償の愛を説くマーテル、アーティファ信仰にとって代わられた。しかし、自然の持つ力強さと、雄大さは忘れ去られるものではなく、今でも一定数の信者を集めている。それも、魔術の根幹は、自然を深奥にて見つめることにあるからである。


邪教徒

 かつては、神の教義を研究する「神の知」という集団であり、数々の神秘を解き明かし、偉大な業績を残した。しかし、研究を不敬と捉えた各国の度重なる弾圧により変質していく。与えない神、助けることの無い神に絶望し、神の国とは対極にある混沌を信仰するに至る。

 世界と敵対し独自の教説を持ち、世を恨む人々を吸収し、歴史上多くの惨劇を繰り広げた。連合単位で大規模な掃討戦が何度も計画、実行されたが決して絶える事は無かった。

 連絡手段、構成人数全てが不明であり、各国の中枢機関に食い込んでいることから、如何なる集団もその懐から完全に排除することは不可能である。

 近年は神聖グローリアを滅ぼすなど、未だ勢力を維持している。


幹部たち

エンジェルボイス 種族:不明 性別:女 仮面:沈黙する牝山羊

  神聖グローリア陥落の際、王都を丸ごと呪いの海に沈め、住民約15万を殺害した。術の詠唱にまるで歌劇のヒロインが歌い上げるような妙見があることからこの名が付いた。ときに楽しく、ときに侘しく、はたまた激情を持って響かせる。その歌声を聴いたものは、全ての保護術、結界を放棄してその歌声に身を任せてしまうほどに魅力的である。

 グローリアのほかにも、邪教徒が関与した大量虐殺の影には彼女の影がちらつく。最古のものは千年以上前で、生体魔術により延命していると思われる。


ベビーフェイス 種族:大鬼(オーガ) 性別:雄 仮面:泣き叫ぶ子山羊

グローリアが滅ぼされる二十年ほど前に突如現れた怪力の邪教徒。ただ純粋に膂力と頑丈さに優れる。もって生まれた天然の防禦結界に加えて、鬼種独特の危機察知能力によって多くの討伐隊を返り討ちにした。

 グローリア陥落の戦いにおいては、邪教徒の結界により魔術が封印されていたため、彼の怪力が決定打になった。マルティス騎士団の多くを、棍棒一本で屠ったとされる。


ワーカーホリック 種族:人種 性別:男 仮面:年老い痩せさらばえた群れの主

 かつて帝国に仕えていた黒騎士といわれるが詳細は不明。毎日、一日もかかさずに誰かを殺害する様は、仕事中毒のように見えるため、この名がつけられた。

 彼の活動範囲が帝国を中心としており、帝国は否定しているが何らかの関係があるのは様々な物証が物語っている。しかし、エンジェルボイス同様に、彼の犯行と思われる事件は種百年も前から続いていて、果たしてそれが称号性故なのか、延命魔術によるのか分っていない。

 グローリアの剣聖クリストフを殺害したのは彼であり、大規模な魔術を使えなかった状況とはいえ、剣聖を圧倒したその剣技は大陸中を震撼せしめた。その際、剣聖の剣技が想像を下回ったことに落胆したと伝えられている。


シーカー 種族:不明 性別:不明 仮面:飢えた巨角の雄山羊

 目撃情報が少ないわけではないが、まったく表に出てこないため、多くの謎に包まれた邪教徒。邪教徒の前身たる『神の知』の理念を正しく受け継いだと言われ、神秘を追及するために各地を放浪している。

 しかし、その残虐性は他の邪教徒と変わるところはなく、障害となるならば街一つ地獄に変えることも、また同胞を殺すことにも躊躇はない。

 神の御心を知るためにグローリアを滅ぼそうとした同胞たちに対し、研究対象がいなくなると表立って反対意見を表明した。彼の妨害を恐れた邪教徒たちは彼を幽閉したが逃亡。マルティス騎士団副団長だったコールを通じ、落ち延びたルクサーナ王女、ライラの亡命に手を貸した。

 現在は、マルブ魔術機関に滞在し、メルキドと言う名で研究にいそしんでいる。

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