今日から新しいスタート!
ガバッ!!
と思い切り起き上がって目が覚めた。
嫌な夢だった。冷や汗でびっしょりだ。
まさか漏らしては……いないな、良かった。
今日から憧れの高校生活をすると言うのに最悪なスタートを切る所だった。
口を濯ぎ、朝食を食べ、制服に着替えて、髪を整えて、歯を磨いて。
「今日の運勢は………………げっ、魚座最下位……。ラッキーアイテムは……なんだこれ、絆創膏?」
天気予報を確認するついでの占い。最下位はちょっとブルーだ。
とりあえず、絆創膏を持って鞄を持った。
今日は快晴!傘要らず!
靴を履きながら自己紹介の練習。
「和嶋 悠里。趣味はゲーム。よろしくお願いします……っと、よし、完璧!いってきまーす!」
「行ってらっしゃーい!気を付けてねー!」
いつもと同じ挨拶をやり取りして家を出る。
今日からは寮生活だ。しばらく母さんのキャラ弁ならぬキャラ飯とはおさらばだ。やったぜ。
今朝見た悪夢もなんのその。意気揚々と家を出て電車を乗り継ぎ学校へ向かう。
……が、電車が10分遅れてちょっとブルー。最下位ってこれか……。
でも10分の遅れくらいは何とも無い。ちゃんと時間に余裕ができるように家を出ている。少し残念な気分になるだけだ。
目的の駅に着いて学校へ向かう途中、なんとなく落ち着かなくて走って行った。憧れの高校生活に浮き足立っていたのかも知れない。
曲がり角。突然横からパンを加えた美少女が……!
なんてことも無く、さすがに浮かれ過ぎだと思いながら角を曲がると、人がいた。
正確には人が蹲っていた。