堕天使ルシフェル=サタナエル
遥か昔...
それは人間が誕生してまだ間もない時代の話だ。
この世界は神が世を支配していた。
天上界に住む天使
地上界に住む人間
地上界に住む全ての人間は神の奴隷だった。
神に仕える天使もまた、
人間を野蛮な人種と蔑み、見下していた。
そんな世界にひとつの事件が起きた。
天使ルシフェル=サタナエルは法廷の場に出され、上級天使の裁判員から尋問を受ける。
「これより、大罪人ルシフェル=サタナエルの裁判を行う」
裁判官を務めるのは全知全能の神にして創造主であるゼウス
事態は深刻だ。
彼は禁忌を冒したのだ。
「この者は人間の女を愛した罪によりエデンからの追放を命ずる。」
人間が神を愛し崇拝するのは当たり前に対し、
逆に神が人間を愛することはあってはならないことだった。
それが世界の秩序であり掟であった。
天使ルシフェルは天上界への追放のみで済んだが、人間の女は別だった。
「また、この者が愛した人間は神への生け贄として天罰を下す」
人間が天使と通ずることなど大罪。
死をもって償う道しか残されない。
「待ってくれ!彼女は関係ない!裁くなら俺だけでいい!彼女には手を出さないでくれ!」
「これにて裁判を終わる」
天使兵に引きづられながらルシフェルは必死に叫んだ。
「ゼウスウウウウウウウウ!!!」
その日
一人の天使が天界から追放された。
これは堕天使となって、
神に抗った天使の
魔王になった物語...