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12月4日 ある晩の会話

うろな町から少しはなれた場所、森の片隅ににひっそりと建つ家。あまりにも広いその家は隅々まで手入れされてはいますが、実際に使われているのはトイレや浴槽などを除けば2、3部屋だけ。そんな屋敷の中で、朝起きて、屋敷を掃除して、夜に寝る…そんな生活を毎日続けている少女が一人。いつからこの生活が続いているのかは誰にもわかりません。これからもずっと続くはずだった退屈な日常が変わったのは、一匹のちょっと変わった黒猫が屋敷に迷い込んだおかげ(せい)でした。


「ねぇ、ユウは私に逢って、良かったと思えるかな?」


薄暗い屋敷の一室で、一匹の黒猫がベッドに座って本を読む少女に寄り添い、話しかけます。


「キミに出逢えて毎日が楽しくなったと思うよ。でも、ずっと先、キミとの思い出が楽しい物ばかりとは限らないと思う。どんなことがあっても、きっと後悔はしないけどね」


読んでいた本から顔を上げて黒猫の問いかけに答える少女は10歳くらいの見た目です。色白で、痩せているせいか遠目には幽霊のようにも見えます。儚さを感じさせるような容姿少女ですが、その声ははっきりとしたもので少し高めの少年の声にも聞こえます。


「?…ユウの言うことは、いつも難しいねー…」


黒猫は少し首を傾げ、少女、ユウにすり寄ります。


「そうかな?まぁ、逢えて良かったってことだよ」


ユウは楽しそうに微笑みながら、読んでいた本をパタンと閉じてベッドに寝ころび、片手で黒猫を撫でます。


「ボクはそろそろ寝るよ。キミはどうするの?」


「一緒に寝るよ」


「ふふっ、そっか。じゃ、おやすみなさい、良い夢を」


少女の隣に丸くなった黒猫は、もう微睡みかけています。そんな黒猫を優しく撫でながら、ユウは眠りにつきました。






黒猫と出会った少女は感情を、少女と出会った黒猫は人の温もりを得ることができました。二人が出会ったことでの大きな変化。これがずっと先に振り返ったとき、幸せなのか不幸せなのか…それはまだ誰にもわかりません。でも、黒猫を抱いて眠る少女は幸せそうな表情で、今この時はたしかに幸せなことでしょう。


明日も、明後日も広い家には黒猫と少女の話し声が響きます。

これは、ずっとひとりぼっちだった少女ユウと、ちょっと不思議なしゃべる黒猫が出会った、そんなお話。


書いてみたくなって書いちゃいました。精霊憑きの方が滞っているのでそっちも書かなきゃ…と、思いつつ…。こちらも作者の人の趣味全開な雰囲気になりそうですが、お付き合いしていただけると嬉しいです

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