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第六話 儚きもの

淳平が好き。

それは変えようのない、1つの『気持ち』だった。

泣きそうになるくらいにもろくて、儚いもの。


圭一や、友達に対するものと同じ。

ふわふわ飛んでいるシャボン玉みたいなもの。

いつか、消えてしまうかもしれない。

不安があおる。

怖い、というのもある意味正しい。

淳平に嫌われるのが、拒絶されるのが、怖い。

でも、信じたい。


淳平にこの想いが伝わる事を。

信じる。


「どうしたわけ?」

いきなり淳平に肩をたたかれて、驚く。

「えっぇえっと・・」

あたふたする私の姿が面白いのか、淳平はけらけら笑った。

「そこまで驚く事ねえじゃん。なんか俺にばれちゃいけないことでもあるわけ?」

本当に、淳平には油断できない。

からかってきたと思ったら、いきなり核心を突いてくる。

「……」

「お、図星?」

真っ赤になってうつむく。

こんな姿、本当は淳平に見せたくない。

「……淳平」

「何?」

「私のこと、いつもどういう風に見てる?」

淳平は、一瞬まばたきして、私を見た。


「……仲いい友達って見てるよ。」

友達。

もしこの言葉が、本当に仲がいい友達に言われたなら、とても嬉しかっただろう。

でも、今の私には――――……

ただの辛い言葉としか受け入れようがなかった。

「――――――うん。ありがとう。」

やっとの事でそう言って、私は淳平から逃げるように走った。

涙が出た。


全てが他人事みたい。

たった今言われた言葉も、圭一に振られたことも、友達に絶交された事も。

全てが、自分の事に思えない。


結びつかない。

それは、おかしいこと?

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