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第五話 気持ち

でも、私は淳平の何も知らない。

だから、淳平を想う事は無駄かもしれない。


それでも。

私のその想いが途切れないうちは、隣にいたい。

それさえも、駄目?


「優佳は、引っ込み思案っていうか……考えすぎるんじゃない?」

いきなり裕美姉ちゃんが言った。

「好きな人くらい、誰にでもいるわよ。まあ、その感情をどうするかは個人が決める事だけどね。」

「うん……」

そうかもしれないな。


何も知らない事ほど、頼りない事はないと私は思う。

だけど、心臓がばくばくいってうるさいのは、どういうことかくらいはわかる。

『好き……っていうこと。』


あの日もらったソーダ味のキャンディは、今もまだポケットに入ってる。

食べたくないわけじゃない。

食べたら、消えるのが怖いだけ。

変な話だけど。……キャンディが溶けるのは当たり前だって言うことくらいわかるけど。

でも、この気持ちをなくすことが怖いの。


溶けてしまったキャンディみたいに。


「……私なんか、無理だよね。」

淳平が私を選んだりするかな?

もし私が淳平だったら、そんな女選んだりしない。

「まだ早くない?」

裕美姉ちゃんが言った。

「……何が?」

「だって、あんたは何にもアピールしてないし、ただ話してるだけでしょ。それだけで、好きとか嫌いとか決められるわけないじゃん。」


もっともだった。

正論。


「逃げてただけ……だったのかな?」

明日、聞いてみようかな。


淳平に。



「私のこと、どう思ってる?」

って。




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