皿洗い
三題噺もどき―きゅうひゃくよんじゅうろく。
『続いての問題は……』
「……」
クイズ番組のアナウンスを聞きながら、キッチンへと向かう。
夕食を終え、皿を下げつつ、飲み物を作るためだ。
母も妹も食べ終わっているし、ついでに洗ってしまうか。
「……」
自分の持ってきた皿を、一度シンクに置いておき、水に軽くさらしておく。
そのままの足で、もう一度テレビを見ている家族の前に戻る。
結構皆、テレビを見ながら食事をすることはないらしいのだけど……我が家は食事にはテレビがつきものだ。
「……」
今日、テレビで流れているのはあるクイズ番組。
どうやら都道府県別のクイズ的な奴らしい。
今は北海道の時計台についての問題。そんなピンポイントであるのかと思うが、こういうクイズ番組ってそんな問題が多い気がする。そんな、地元の人でも知らなそうなことを知っている人がいるのか……と思うような。でも当てるからすごいんだよな。
「……」
ああだこうだとテレビを見ながらクイズに答えているのかと思えば、部活の愚痴を言っていたようだ。先輩がどうの顧問がどうの……。2人とも今は同じ部活に入っているが、次女からはそんなに聞いたことはない。まぁ、末っ子が変にこだわり強いというか、面倒なだけなんだろう。頑固と言えばいいのか。
「……」
母や姉(次女)に対して愚痴を言っている末っ子を見るのは今に始まったことじゃない。
慣れたというか……あまり聞きたくないので流している。
たまに私に言ってくるけれど、まぁ、適当に同調してやれば満足するらしい。
「……」
それを横目に見つつ、机の上にあった皿をすべて回収していく。
そんなに多くはないので、一度で重ねて運びきる。あまり行ったり来たりするのも面倒だから。運べないときは仕方ないけれど、今日は同じような形の皿ばかりだし。
「……」
流しっぱなしにしていたシンクの水道の下に、重ねて持ってきた皿を置く。
これも見ずに流しながら、置かれているスポンジを手に取る。
「……、」
と、その前に。
後で使うコップを出しておこう。水切りラックの中からガラスの小さめのコップを取り出し、置いておく。この中に痕で、コーヒーポーションを入れて、それをオーツミルクで割って飲む。
「……」
コップをすこし離れた位置に置き、皿洗いを再開する。
スポンジの上に、洗剤を数回落とし、泡立てていく。
今日の皿はそんなに汚れたものはないから適当に手に取ったものから洗っていく。
「……」
そういえば、オーツミルクの残りはあったっけ……そろそろ買い足しておかないといけない気がする……。
牛乳はあまり好きではないし、アーモンドミルクとか豆乳も少々苦手で、たどり着いたのがオーツミルクである。これが案外美味しくて気に入っている。
「……」
砂糖も入っていないし、健康にも美容にもいいだろうと毎日飲んでいる。
気にするような歳でもないと言われそうだが、近くにあの子みたいな可愛い子がいると、なんとなく気にしておこうとなる。
比べられるような次元ではないが、あの子の隣にいるためには必要かもしれないだろう。
「……」
まぁ、飲みながらクッキーを食べようと思っているから、健康も美容も台無しだろうけど。……なんか最近甘いものが食べたくなるんだよなぁ。どうせ、今月のアレがそろそろ来るのだろう。全く面倒なことこの上ない。体重も増えるし、イライラもしてしまうし、酷いと腹痛腰痛頭痛に襲われるからいいことなんて一つもない。
「――ぁ」
ガチャン―――!!
ぼうっと考え事をしながら皿を洗っていたのが悪いのだけど。
つるりと滑った皿が、他の皿にぶつかりものすごい音を立てた。
幸い割れることはなかったものの、リビングからは皿に当たらない!と言われてしまった。末っ子から。……なんだアイツ。
「……」
その発言にイラっとしつつ、皿をさっさと洗っていく。
後は流して水切りラックに乗せていくだけだ。
これは結構上手に積まないと入りきらないのだけど、何回やっても苦手なんだよな……いい具合に乗りきらない。まぁ、どうせ棚に直すものだからいいんだけど。
「……」
全ての皿を洗い流し、なんとかラックに乗せていく。
最後に手を洗い、タオルで拭き、飲み物の準備をする。
クッキーはどれ食べようかな。
お題:クッキー・コーヒー・時計台




