出会い 2
前回のあらすじ、
カートゥーンはラーメン屋に入ったと思ったら突如として森の木漏れ日を浴びた。
「俺は…ラーメン屋に入ったよな…?」
カートゥーンは自問をする。
間違いない、店名も覚えている。
「なんで森に…ていうかめっちゃ絶景だな。」
丘の上なのか、目線を下ろすと街があった。
ヨーロッパ風の…洋的な屋根が見えると同時に、真ん中には明らかに大きい城が建っている。
「…状況が飲み込めねえ……とりあえずあの街まで行っ……」
ガサガサッ
近くの茂みから何かが動いた音がした。
「今何が動いたんだ…?
まさかッ…猪か…?」
勢いよく茂みから飛び出したのは…
ゼリーのような透明感、クリクリとした愛らしい目、柔らかそうで楕円系の身体……
「これは…スライムか…?」
その身体に触れようとした瞬間……
ばくんっ
カートゥーンはスライムの大きく広がった口に飲み込まれてしまった。
(……!?やべえっ……息がっ…できないっ…)
ガボガボと肺から息を吐き出しながら藻掻くと、なんとか顔を出すことができた。
「ゲホッ…だれかっ……
誰かッ!!!助けてくれッ!!!!!!」
肺に残っている息を精一杯押し出して叫ぶ、
スライムがもう一度顔を覆おうとした瞬間…
パァァァンッ
誰かがカートゥーンごとスライムに攻撃し、
スライムの身体が弾け飛んだ。
「ガハッ…………」
ダメージにより、カートゥーンは気絶した。
──────────────────
「…………ん……」
目を覚ますと、目の前には自分と同い年くらいの女が立っていた。
「お、起きたか。お前、大丈夫か?」
女はカートゥーンに話しかけた。
「…少し頭が痛いだけで、大丈夫…」
「その痛みは、私がお前ごとスライムをぶん殴ったときの脳震盪による痛みだろう。」
お前が原因かよ。
心の中でそう突っ込んだ。
茶髪、身長はカートゥーンと同じ位…
だが腕はがっしりとしている。
スポーツとかいう筋肉じゃなく、自然についた筋肉っぽい感じだ。
「私の名前はスララ、この辺で暮らしてる。
お前は?」
「俺はカートゥーン…
何を言ってるのか分からねえと思うが…
気づいたらここに来ていたんだ…。」
…このネタは………伝わらなかった。
ポージングまで完璧だったのに。
軽い自己紹介を終えたあと、
「そういうことなら…この辺に詳しい奴を紹介しようか?ちょうどこの辺にいるはずだ、呼んでくる。」
…スララは行ってしまった。
(スララ…か、
現地民に出会えたのはラッキーだったな。
それに…言葉が通じるってことはここは日本みたいだし。)
状況が整理できてきたので、とりあえず
スララが紹介してくれる人を待った。
To be continued...⇛
次回、増えるよ、人が。