出会い 1
これは異世界転生物です。
一瞥の価値有り。
「……カートゥーン………」
知らない誰かが俺の名前を呼んでいる…
「起きろ、カートゥー……。」
ピリリリリリリリリリリリリ……
「…………」
睡眠が目覚まし時計によって中断された。
もうこんな時間か……。
「ん……ふぁぁ……」
大きいあくびをしながら布団を出る。
夢の内容は覚えていない。
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「澤田の野郎…課題めっちゃ出しやがって…」
大学の担当教授への不満を口にする。
だが、口にした所で何も変わらない。
(…そーいや…最近遊びに行ってなかったな…
起きて…大学行って…バイトして…)
(バイト……バイトッ!!!
やべえバイト忘れてたッ!!)
急ぎ足でバイト先の飲食店へ向かう、
「はぁっ…はぁっ…」
休業日だった。
「全く……ツいてねぇ…。」
人間はストレスがあるとよく独り言をこぼすようになるらしい。
その類の中の一人だろう。
「そういや……腹減ったな…」
見慣れた町中を歩きながら、晩飯は何処にしようか迷う。
「…あれ、あんなところにラーメン屋なんてあったっけ…?」
新装開店、というふうでは無かった、乱雑に置かれた看板には、「ラーメン剛」と殴り書かれている。
ボロボロの木造建築に、所々トタン貼りされている。
活気もなく、客がいるかも怪しい。
「……隠れ家的なラーメン屋だな、よし行こう。」
彼はラーメン屋に向かって歩き出した。
ラーメン屋の窓から薄紫色の光が漏れる。
彼は歩みを止めない。
ラーメン屋のドアノブを掴んで、回した時……
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「…………ん?」
見渡す限りの森、木漏れ日が差し込み、暖かい陽気が彼を包みこんでいる。
「…ラーメン屋…じゃないよな…」
振り返ると、そこにドアはなかった。
ドアノブを掴んでいたはずの手は虚空を掴んでいた。
「………これは……どういうことだ…?」
To be continued...⇛
ここまで読んでくださりありがとうございます。
続けて書きますのでよろろすお願いするます。