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⑷『数秒の電気霧』
⑷『数秒の電気霧』
㈠
足が痺れるとは、何とも危険なことだと、真に、思わざるを得ない。まさに、危機的状況かもしれない。執筆家生命に関わることだから、気になって仕方がない。しかし、足が痺れると、目の前の未来が、霧で閉ざされてしまうかの様だ。
㈡
辛いことだ、健康なくして、小説など書けるものか、馬鹿野郎、そう神が俺に言って居る気がして、下を向いて、思わず、すっ、すいません、と言いそうになるが、神などに謝っても仕方ないと思い返し、口内に言葉は含んだ侭である。
㈢
何れにしても、数秒の電気的痺れは、確かに足を浸食している様だ。特に、右足の足首が、何やら痛いのである。これは、痺れを何度も体験している、一種の疲労蓄積からくるものだと、判別しているが、とにかく、痺れが治って貰いたい。