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三話 『はっぴーばーすでーとぅーゆー 1/2』

「なーにそれ、そいつ許せねー!( #`꒳´ )」


俺は事の一部始終をハシナモに伝えた。ショウキを敵に歯向かうということは学校中の奴らの標的にされるという事。僕1人ではどうしようもない。


とりあえず...復讐って言っても反省させる程度で充分だからハシナモならなんとかしてくれるはず。


「だから、その...。ショウキ()を反省させるだけでもいいからお願いしたいんだ。」


ハシナモは「ok!(*´꒳`*)b」とだけ伝えて、どこかに消えた。彼?を信じてもいいのだろうか。反省と言っても変な事をしないかどうかの不安が、


頭の中をぐるぐる、ぐるぐると。廻り続ける。


───しかし、消息を辿れない以上ただひたすらに待つことしか出来なかった。その真実を認識してキャンセルという概念は浮かばなかった。


─────────


1月20日 ショウキ宅


「ショウキ〜!誕生日おめでとう!」


「はわ〜...美味そう!」


「だろー?ショウキが勉強だったり学校生活を一生懸命頑張ってることは俺たちは重々分かってる。だから日頃のご褒美として高級ケーキやオードブルを頼んだんだ。中にはお母さんの手作り料理もあるぞ!」


「そうよ〜?遠慮は要らないからたっくさん食べてね!たっっっっくさん食べて立派な大人になるのよー?」


「ははは、お父さんも楽しみだぞ。お前がどんな大人になるのか。」


「ま、それは後にしといて。冷めるから早く召し上がりましょ!」


「ちえーっ...もう少し話したかったのになー...」


父の会話が遮られたがそんな物はいつだって出来る。まあ、若干悔しそうだったが〝いつも通りの事〟だと、ショーキとその母は笑って流した。これで夜ご飯の始まり、といった所だがショウキの心はザワついていた。


────────


〝自分がどんな大人になるのか〟と期待された時、俺は正直居心地がよくなかった。何故なら、俺は表側じゃお母さんとお父さんの期待に応えているけど実際はそうじゃない。


本当の俺は、いじめの主犯格で。それでいて一人の人生を潰そうとしていて。第三者から見れば圧倒的な悪だ。


──そんな悪を、クソ野郎を〝いい子、立派な子〟と思わせて騙している自分に罪悪感を覚え続ける。


でも、本当はただの気分でいじめた訳じゃないんだ。これは生存の上で必要不可欠な感情、本能。いわば劣等感が僕にそうしろと思わせただけ。


これはしょうがない事なんだ、しょうがない事なんだと自分に言い聞かせ続けて、何万回、何億回。それでも罪悪感という感情は消えない。免罪符を必死に探したけどどこにも無い。


いじめには必ずきっかけが存在する。被害者が異端だから?人と違う何かがあるから?そういうのもあるけど俺の場合はそれじゃない。これは全部俺が悪いんだ。アイツは何一つ間違ってない。


────────


〝「お前は必ず、出世するんだ。お父さんもお母さんも期待しているぞ。」〟


と幼少期の俺は両親に期待を擦り付けられた。きっとそれが俺の在り方なんだろう、とその言葉を今に至るまで妄信し続けた。


その在り方に答えた証なのか、両親は俺がテストの高得点を取るたびに喜んでくれた。過保護と言えるほど毎回ごちそうを用意してくれる。


もちろん学力も学年一位で頂上に居座ることが心地良かった。それも、アイツが現れるまでの話だが。


〝『算数学力テスト 学年一位"平井川 遊助" 二位 笹森 翔貴 三位────』〟


なんで...?俺はあんだけ頑張ったのに、いつも誰よりも優秀だったのに。


〝「ショウキ君二位だってよ。ダサくない?」 「しーーーっ!聞こえちゃうじゃんw確かにダセぇけどwガリ勉野郎が知らん奴に負けてるとかw」


「あのガリ勉いつも俺が一位だー、とかイキってるから嫌いなんだよなー。二位になってくれて良かったよ。」〟


ひそひそ、ひそひそと皆が俺の話をしている。


俺はガリ勉でクラスで孤立していた。だからこそその分勉強に集中出来ると思って勉強に勤しんでいた。その成果として何度も、いや。毎回学年一位の座に居座っていた。


それだけが俺の自慢。或いはプライド。


それをアイツがぶち壊したのだ。これで親の期待に答えられなかったら俺はここで捨てられ終わるだろう。だからアイツを蹴落とすしか無かった。


全部アイツが悪いんだ...!全部、全部、全部、全部───!


「────お前が遊助だな?」


「えっと...何か用で─────」


俺は花に水やりをやっていた遊助を思いっきり殴った。殴り、殴り、殴り、殴り、そしていつの間にか遊助の顔からは血が出ていた。


「やめて...くださ─────」


「うるせえ、うるせえ、うるせえ!お前が俺の地位を揺さぶった罰だ!」


誰も見ていない。これなら思う存分殴れる。そう思いながら殴り続けた。───だとしても、このまま死なせるのはまずい。


そう思って途中で辞め、毎日ジリジリと追い詰めていこうと考えるに至った。


それで俺は学校と家でのスタイルを別々にし、家では優等生。学校ではいじめっ子として成るようにした。


集団心理を利用して着々と仲間を増やし、結果として皆俺についてくるようになってきた。


それで俺は遊助をいじめ続けた。確かに罪悪感はあったがそれよりも高揚感が押し付けてきて寧ろいじめることが快感になってきていた。



──────ああ、楽しいなぁ、楽しいなぁ、と。



夜中に書きました。変なところが度々あったかもしれませんが読んでいただきありがとうございま...ぐぴー( ¯꒳¯ )ᐝ

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