……カ……ガ……ミ……
「何も起きないわね」
健康的美少女がトイレの鏡を覗いたり、中に入ろうとして鏡面へ頭をぶつけてみたり。
彼女は本気で異世界の入口を探しているみたい。
自分の小学生時代も行動は可愛いものだったと思い出す。
この子達と同じで『ここじゃないどこか』へ行ける事を夢見ていたっけ。
仲間はいなかったけどね。
「…晶の言う事は本当だった…」
「黒井さんもお姉さんが見えるのですか!?」
「…鏡越しに…とても痛そう…平気なの?…」
ワタシ鏡へ映っているの?
ゴスロリ娘もアキラちゃんと同じ事を言う。
ワタシはどこも怪我をしていないのに。
それとも見えない位置を怪我してる?
ワタシは鏡へ映った自分が見えないので確認できない。
『ワタシ。鏡へ映っているの?』
「……と言っていますが、僕には見えています」
「…私も…」
「鶴っち。晶君。どうやったら見えるの? 全く見えないわ」
「…司だけじゃなく…見えないなら見えない方が良い…無理して見ない方が幸せ…」
『アキラちゃん。キミにワタシはどう見えているの?』
「……それは……」
『ワタシの事は気にしないで教えて』
「生きているとは思えないほど大怪我をしています」
ワタシはどこも怪我をしている気がしていないんだけどなぁ。
アキラちゃんにワタシはどう見えているのだろう?
生きているとは思えない大怪我ってどんなだろう?
ワタシはどうして……どうやって死んだのだろう?
『自分では怪我をしている自覚が無いけど、どうなっているか教えて欲しいな』
「……と言っていますが教えても良いのでしょうか?」
「…自分の中で認識が変わると見える姿も変わる可能性は否定できない…」
『どういう事?』
「……かと聞いています」
「…今は怪我をしていない姿で自分を見ているみたいだけど…大怪我した姿で見る事になる…」
『それでも良いから教えて!』
「……と言う事です」
「…後悔しないなら晶に絵を描いてもらうと良い…」




