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……サ……ソ……イ……

「まずは自己紹介から始めるわよ。あたしは東海林司」


健康的美少女が突然、自分の名前は『ツカサ』と自己紹介を始めた。

幽霊と聞けばもっと怖がると思ったけど、肝の座った小学生達だ。


『幽霊が怖くないの?』

「……と言っています」


他の子達には聞こえていないワタシの言葉をアキラちゃんが通訳してくれる。

ワタシの質問へ大きな男の子が答えた。


「俺には見えないけど晶が懐いているから大丈夫だろ。俺は栗戸由宇。よろしく」

「…由宇…気を抜いては駄目…我が名は『鶴っち』…真名は秘密…」

「こいつは黒井鶴。ちょっと変わり者だけど悪い奴じゃないから」

「…由宇…死ねば良い…」


大きな男の子が『ユウ』でゴスロリ娘が『ツル』ね。

そう言えばアキラちゃんと話してからワタシは『シネ』と言ってない。

心と体が一致して気持ちは晴れやかだ。


「最後は僕ですね。根本晶。よく勘違いされるけど男です」

『オトコのコ?』

「はい」

『どうしてショートボブにしているの?』

「僕の髪の毛はお母さんが切ってくれていて、この髪型しかできないのです」

『そうなんだ。アキラちゃんなら似合っているから良いと思う』

「ありがとうございます。お姉さんのお名前は?」

『それが思い出せなくて……とりあえず【お姉さん】で良いや』

「……という事です」

「…自分の名前を忘れるのは悪霊への第一歩…不特定多数を呪うと悪霊化しやすい…」

『エッ!?』


子供が言う事だから鵜呑みにはしないけど、思い当たる事はある。

誰彼構わず『シネ』と呪う自分をワタシは後ろから黙って見ていた。

実際に自分の名前が思い出せない。


「今悪霊じゃなければ問題ないわ。探索を続けるわよ。そうだ。お姉さんも一緒にどう?」

『ワタシも?』

「あたし達。異世界への入口を探しているの」


相手が小学生だからかな……生きていた時より上手に話が出来ている。

最後に遊びへ誘われたのはいつだろう?

そんなワタシの返答は最初から選択肢なんて一つしかなかった。

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