……キ……ヅ……キ……
ワタシは自分の存在に疑問を持ってしまった。
ずっと、放課後を、みんなを、待っていた毎日。
最後に家へ帰ったのはいつだろう?
最後に学校へ行ったのはいつだろう?
最後に食事をしたのは?
最後に寝たのは?
……思い出せない……毎日放課後を待っていた……待つ事だけは得意だから……
どうして今まで気付かなかったのかな?
自分が死んだ覚えはない。
理由は分からないけどワタシはずっと駅へいる事に気付いてしまった。
だけど放課後の時間以外は、何をしていたのか、あまり思い出せない。
まずは家に帰ろう。
お父さんとお母さんがきっと心配している。
改札口を出て家路へ向かおうとしたけど、なぜか駅の建物から先へ進めない。
正確には駅の軒下から先へ進めない。
ワタシは閃く。
はしたないけどトイレの窓から出られるかも知れないと。
結果は今までと変わらなかった。
良い事か悪い事か分からないけど自分は幽霊だと確信した。
ワタシの姿は鏡に映らない。
失意のうちにホームへ戻り、端から出ようとしたけど無駄だった。
最後に線路の上ならと挑戦して失敗し、自分がこの駅へ閉じ込められた事を知る。
ワタシへトドメを刺すように天から水滴が落ち始める。
次第に強くなる雨に一切濡れないワタシ。
心の底で何かが壊れる音が聞こえた。
『あはっアハハッAHHーhahahahaha!』
人生で一番大きな声で天に向かって狂ったように笑い続ける自分。
それを冷静に見つめる自分がホームでワタシを見る人が一人もいない事を確認する。
この時からワタシは自分の後ろを付いて行くだけの存在になった。




