……タ……イ……ヨ……ウ……
目の前で同級生が三人も亡くなったが、ワタシの心は冷めていて、一人残った少女を見下ろす。
自分の後ろから、もう一人のワタシが映像を見ている感じ。
「……うちは悪くない……うちは悪くない……うちは悪くない……うちは悪くない赦して……」
目を閉じ、耳を手で塞ぎ、歯をカチカチ鳴らし、へたり込んだホームへ水溜りをつくる。
彼女のスカートの中から「ブリブリヴゥゥ」と凄い音がした。
夏の陽射しで焼けたコンクリートが水溜りを湯気に変えていく。
辺りからは「クセェ」と言う非難の声もチラチラと上がる。
野次馬達がざわつく中、ワタシは夏の空を見上げていた。
光の粒子は消えて黒いモヤがワタシにまとわりついていた。
暗い……目に映る全てのモノが暗い……太陽さえただの白い丸にしか見えない……
……世界から輝きが無くなった……
野次馬のざわつきの中から最近聞き覚えた声を拾う。
「入場券を買ったのだから通しなさい!」
「駄目だよ。駅員として大人としても子供に見せられる事故じゃないのだ!」
「知り合いがホームに居るって言っているでしょ!」
「駄目だ。入場券は払い戻すから大人しくここで待ちなさい」
「ヒトミ姉さん」
振り向けば太陽より輝く小学生。
アキラちゃん……ワタシは一つの考えで埋め尽くされ……ちぎれたワタシは一つへまとまる。
何人もの生者がワタシの体をすり抜けていく……ワタシは生者と触れ合えない。
ワタシは改札口へ……改札口の光の元へ……アキラちゃんの元へたどり着く……ワタシの太陽。
『アキラちゃん。ずっと一緒にいよう』
「……ヒトミお姉さん……」
「…晶…ダメ…残念だけどヒトミ姉さんは悪霊になった…滅するわ…」
『アキラちゃん。ずっと一緒にいよう』
「黒井さん待って。まずは話し合いましょう」
「…無理…ヒトミ姉さんはもうヒトミ姉さんじゃないから…」
「二人が何を言っているのか分からないけど急に寒気がしてきたわ」
「あぁ。今すぐここから逃げ出したいな」
「…それが正常…二人共…晶を確保…逃げるわ…」
『アキラちゃん。ずっと一緒にいよう』
「ヒトミ姉さん!」
急いで四人を追うけど見えない壁にさえぎられた。
あぁ……ワタシの太陽が盗まれた……あの三人は絶対許さない……見つけたら必ず呪い殺す。
あきらチャンハわたしダケノもの。
イツマデモ駅デ待ツワ……待ツ事ダケハ昔カラ得意ダカラ。




