01・作者が大真面目にコンサルティングしている、と思う
「作者が大真面目にコンサルティングしている、と思う」
投稿日:2017年08月17日 01時33分
現代日本でコンサルタント、異世界で冒険者という職歴を経て、「冒険者パーティーの経営相談」を始めた主人公、ケンジの物語。
エッセイで作者が「街場の冒険者を支援していく物語のはずでした」と語っていますが、ケンジが目の前の問題を一つ一つ解決していくうちに、ギルドや貴族、教会などが登場。物語の舞台は街にとどまらず、どんどん大きくなっていきます。
作者いわく「本当にこの世界の冒険者を救おうと思ったら、一体何をすべきなんだろう?」と、考えて方向転換したとのこと。
作者はコンサルタントとして、空想相手にかなり本気で、真面目に取りくんでいるように思います。(職業病でしょうか?)
コンサルタント的な思考回路と、この「本気」が面白い作品だと思います。
作品タイトル:異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!)
作者:ダイスケ
*****
私の初のレビューです。
このレビューを書いた時の気持ちは、今も覚えています。
「この人、ガチだっ!!!」
と、面白い作品を読んだ後のハイテンションで、笑いが止まりませんでした。
きっと、「経験則的に、こういう問題がでてくるだろうな」と考えたら、それを解決せずにはいられなかったに違いない。
そして、こじんまりと物語を終わらせるか、コンサルタントとして、根本的に解決するか、という選択肢に、後者を選んでしまう職業病っぷり。
想像でしかないけれど、そんな作者なのでは? と思うだけで愉快でした。
私は作者が自分が空想した世界を大切にしている作品が好きです。
ただの物語なんだからいいじゃん、と一線を引いているもの。作者の欲求、願望を満たすだけのものは、好みからはずれます。
また、ストーリーに合わせて、キャラクターを捻じ曲げたり。
登場人物の反応をストーリーに沿わせるために、ありえない、と感じるものにしてしまったり。
そういうのも、がっかりしてしまうので、そういう意味でもこの作品は大好きです。
だから、この作品は読者の人たちに、「この作者、自分の空想に本気でコンサルティングしてるよ! 面白いから、ぜひ、読んで!!!」 と言いたかったのですが、それじゃ伝わらないだろうなー、と。
どのあたりに、作者の本気を感じたのかを理路整然と話すよう努力したのがこの文章です。
最初から最後まで、作者は「本気」で「真面目」だ「おもしろい」、しか言ってない文章ですね。
説明するような工夫が全くありません。
一応、自分の心の中の、「一番強い想い」を拾い上げてはある、でしょうか?