7話 これから
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(*´꒳`*)
「どうやら基準値を超えているみたいですね、後は貴方の好きなように生きたらどうですか?」
「好きなようにか…とりあえず寝てから決めるか」
ベット召喚でラビを呼ぶと…俺と同じように、銀髪にケモ耳、フサフサの銀の尻尾が生えた…だいたい14歳位の女の子がいた。
しかも裸だ…それも水に濡れた。
「は?」
「えっ…?」
……
「えっちー!」
俺はこっちに向かってくる手を避けた。
「むぅー! どうして避けるの!!」
「いや、いきなりビンタされそうになったら、そりゃあ避けるだろ?」
「違うもん! おじちゃんがえっちな人には、とりあえずビンタをしなさいって言ってたもん!」
何度も…何度も、俺をビンタしよう手を振るが…受けてやる通りはない。
てか、なんでラビじゃなくて、コイツが召喚されたんだ? エラーでもおきたのか?
「おい、いつまでそうしてるつもりだ。いい加減諦めて服を着ろ」
「えっ?」
子供が自分の姿をゆっくりと見下ろすと
「えっちーー!」
これ…いつまで続けるつもりなんだ?
それから…体感時間で30分が過ぎた頃…ようやく手が止まった。
「むぅぅぅーーーー!! もう僕で寝かせてあげないんだからね!!」
「お前…いきなり何を言ってんだ? いつ俺がお前で寝た?」
「むぅーー!! お前じゃなくてラビだよ! もう知らない!」
な…なんだと?
ボフン! と音と煙を出すと、目の前には見慣れたフェンリル姿のラビがいた。
マジか…いや、マズイ! このままコイツを行かせると俺は草原で眠ることになる!
…それは、それでいいかもしれないが…もし、コイツがそのまま不貞腐れ…俺を乗せて寝かせてくれないとなると、なかなか辛いものだ。
「待てラビ、お前のビンタを受け入れてやる」
「つーん」
俺はそういうが…ラビはそっぽを向いたまま、振り向きもしない。
あの子供が、ラビだと知った今…俺が悪い事をしたような気がしてきた。
たしかに俺だって、風呂を入っている時に無理やり中断させられたら、少なからず怒りが湧く違いない。
「ラビすまん。今度俺が風呂に入っている時に、無理やり突撃してもいいから許してはくれないか?」
俺がそう言うと…ラビがぷるぷる震えだした。
「えっちーーーー!!」
「どうしろと?」
こっちに飛んでくる肉球を、今度は避けずに受け止めた結果…肉球がいいクッションになり、衝撃だけが襲った。
………
ラビから許しをもらい…しぶしぶ無事に乗せてもらい、寝かせてもらった。
「さて、自由に過ごせと言われたが…どうするか」
いざ自由にしろと言われても何も思い浮かばずにいた。
「貴方は神族なのですから、信仰度を集めないと消滅しますよ? 天5級1星神なら、後は400年位ですね」
悩んでいると、いつのまにかやってきた悪魔珍しく助言みたいな事を言った。
「それだけありゃ…十分な気がするがな」
「そうですか、考え方は人それぞれなので…特にどうこう言うつもりはありません。ちなみにしばらくは私も同行しますので、そのつもりでお願いします」
「は…?」
「聞こえませんでしたか? 同行すると言ったのです」
冗談だろ? コイツがいたら、そもそも自由じゃねぇ…
「安心してください、私は貴方に同行し…問題があれば対処するだけです」
どう対処するのか聞きたいが…怖くて聞けん。
今までの流れからして…ロクでもない事をだってことだけは分かる。
「基本的に決められたルールを守れば問題ありません」
神には、下界に降りる時…決められたルールがある。
1つ 神気を使うべからず
1つ 人と交わるべからず
1つ 神族だと知られるべからず
主にこの3つだ。
神気は微量ならたいして問題にはならないが…多く使うと、極稀に神気を宿した魔獣が誕生したり…神気を宿した人間が暴走したりする事があったらしい。
交わる=セッ◯スだよな? これは、遥か昔に人間と交わった神がいて…何と神の子を宿したとか、その子供は半神半人にとなり、英雄となった。
逆に一歩間違えれば…世界を滅ぼす者になったとか。
昔…神と知った人達は、最初こそ感謝をしたが…時間を経つにつれ、感謝をしなくなり…災害が起きれば神のせいにしたり。
中には神の力を我が物にしようと企む者がいたそうだ…。
神と知られれば、良くも悪くも人々に影響を与える…、よって…神々は下界に行く際、決して正体を明かさない。
これを知った時…俺は人間の醜い所を思い出し吐き気がしたのを覚えている。
こうしていると…なんだか下界に行かなくてもいいような気がしてきた。
「下界に行かない…何て選択肢はありませんよ? 神族は必ず、短くても80年はいなくてはならないのですから」
「クッ…!」
どうしてこの世界は俺に甘くないんだ。
「後、下界では私をアルファと呼んでください」
「いや、そもそもアンタの名前知らんのだが…」
『ラビも行くーー!!』
「まぁ、ラビは必要だからな当然だ」
ベットだからな。
尻尾をブンブンと振っている、ラビの頭を撫で回し…目標を決めることにした。