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えっ? 神族ですか?  作者: モモン
5/8

5話 地獄の始まり

ブックマークの追加と評価ありがとうございます!

(*´꒳`*)

 

 頭が割れるように痛い…くそっ…、俺はこんな場所で死―――


「何をサボっているのですか? 早く続きをやりなさい」


「ぐあぁぁああ!!」


 俺は分厚い本の角で、暴力天使に殴られ…余りの痛さにその場で、頭を押さえ何度も転がった。


『頑張れ〜♪』


「さぁ、早くその本を、手に取り知識を頭の中に流し込みなさい。そのペースじゃまだまだ終わりませんよ?」



 どうしてこうなった…。





 遡ること6時間前…



「イレギュラー発見、これより行動に移ります」


 天使はそう言うと、空間を捻じ曲げ…手を入れ…手を抜くと、分厚い本を持っていた。


 それを――



「グハァ!?」


 投げやがった…。しかも、俺の顔に…


「イッテェ…いきなり何を…」


「読みなさい」


 拒否は受け付けないが如くの、冷たいを目を俺に向け…天使…いや、暴力天使はそう言い放った。



 しかも、隣にいたはずのラビが、いつのまにか遠くにいるし…アイツめ逃げやがったな…。



 何か言ったら、また殴られそうだったので…渋々、辞書みたいな分厚い本を手に取り…開くと全く読めない文字が書き込んであった。


「なぁ、文字が読めないんだが…」


「目で追うだけで結構です」


「はぁ…」


 文字も分からないのに、いったい何の意味があるのか――


「は…⁇」


 1ページを目で見通すと、文字が浮かび上がり…俺の頭の中に直接入っていった。


「ぐッ!」


 ズキズキと頭痛と同時に…さっき見通した内容が分かるようになっていた。


 なるほど…知識を直接頭の中に入れる、と…いうことか…。



 内容は神族ついて? 神族だから神の事か? 何で俺はそんな本を読まなくちゃ――「続きを早く読みなさい」



「あっ…はい」


 威圧みたいのを、出してくる暴力天使につい、敬語で言ってしまったのは俺の人生の汚点だ。



 そこからだ…ずっと、暴力天使が監視のもと…俺はずっと、頭の中に入ってくるたび…頭痛を味わいながら本に目を通し続けた。


 休憩無しでだ。



 何故か、腹も減らないみたいで…全て見通すまで、終わらない地獄が始まった…。



 雨の日も…


「なぁ…流石に雨の中で読むのは…」


「その本は汚れたり、濡れたりしないので気にしなくて結構です」


 風の日も…


「なっなぁ…これ絶対、台風来てるよな? 雨も降ってるし…風邪引いたら元もこうも――「貴方はもう、病気がかかる体ではありません。続けなさい」」


 隕石が降る日も――


「おかしいだろ!! どうして隕石が降ってくるんだ…ギャアアアアア」


「あの程度の石ころに、当たるなど…これは実戦では厳しくしないといけないようですね」


 意識を失う瞬間、そんなつぶやきが聞こえ、空耳だと願った…。


 2週間後…


 そしてついに…


「終わったーー!! ようやく…ようやくだ!! この地獄が終わ――」


 ドサドサドサドサドサ!!


 ああ…どうか嘘だと言ってくれ…


 「基礎の本は終わったようですので、次は神気についての本です」


 ここで…逃げる俺をどうか許してほしい…。


 飯を食わなくてもいい体だからといって…口に入れるのは雨の水だけ。

 睡眠を取らなくてもいい体だからって…眠れるのは隕石がぶつかった時だけ…それでも、直ぐにあの暴力天使から叩き起こされる…。


「どこへ行くというのですか? まだまだ終わりませんよ? 縛られて本を読むか…大人しく本を読むか、選びなさい」


 後ろにいたはずの奴が…いつのまにかロープを片手に道を塞いでいた。



 ああ…俺はどうやら、あの地獄を再び味わうようだ…。



 それから月日が流れる事、2()0()()…ついに俺は…!!


「終わったぞぉ〜〜!!」


 いつぶりだろうか…こんなに達成感を感じたのは…、つい、拳を上に上げ…大声を出してしまった…。


 俺らしくもない。


 それに、今気づいたが…なんだか頭の中がスッキリしたような気がするのは、気のせいか?



 まぁ、あの本を読んだ効果だと思っておくか。



 それにしても…よく生き延びたと、我ながら思う。


 まぁ…生き延びたのは、俺の限界ギリギリの所で美味い飯と睡眠、後ラビの遊びに付き合ってやった…と、いうのが大きいだろ。


 ラビはフラフラ…とよく出かけていたみたいだから、暇はしていなかったんだろう…羨ましい…。



 それから、俺は1年間に3日だけ…自由が与えられる事になり…その3日間為だけに俺は死ぬ気で頑張った。


 ああ…自由って素晴らしい…。と俺は初めて自由のありがたみに気づいた。


 通し読みに慣れてきた俺は…少し手を抜いた年があった…。


 その年は3日間の自由が無く…俺は死ぬほど後悔をした。


 落ち込んでいた時…ラビが俺の顔を舐めて、ほんのちょっと愛情を抱いたのは秘密だ。


 もちろん、小動物を愛でる…という意味だ。



 さて…知識は全て手に入った…。


 とりあえず、今日は寝て明日から、このわけの分からない空間を抜けるとするかな。


 俺はベット召喚でラビを呼び…眠りについた。



 俺はこの時…本当の地獄はこれからだと思ってもなく…ラビの柔らかい毛並みに癒され、眠りにつくのだった…。






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