23 失って得るもの
情報を集めていくうちに闇営業は義賊である事がわかった。
貧しい国に学校や病院を建てた偉人として名を馳せている。
夕方になり傭推が焦った様子で帰って来た。
狂花は庸推に近付き
庸推を殴った。
「貴様今まで何処に…行っていた?」
悲しげな顔で深く謝った庸推はアジトの場所を報告した。
そして、神殺しメンバーは早々と動き出した。
「ミ………ナ……サ……」
「私は死んじゃったんだ、でもここは何処だろう?」
「何だか暖かい」
「やっと目が覚めたようだね」
「誰ですか?」
「そうだね、私は君達に神と呼ばれていた存在だ」
「今はもう殆ど力を失っている」
「君達にお願いがある」
「私が君に力を与える代わりに神を倒してくれないだろうか?」
「君には命を与える」
「それと私に残った最後の力を与えよう」
ミナサは頷いた。
「ありがとう」
ミナサは自称神にお礼を言われ驚いた。
姿の見えない自称神は笑った気がした。
「もう時間が無いようだ」
「忘れないでくれ」
「必ず◯◯を倒してくれ」
ミナサは薄れゆく意識の中でその名を刻まれた。
狂花は闇営業のアジトの古びた洋館に辿り着いた。
「おやおや、早かったですね」
呪術製造は下卑た笑みで
「今度は手加減は致しません」
サヤは前に出ると
「ここは私に任せて下さい、私はもう負けません」
狂花は頷き
「任せた、行くぞお前ら」
狂花達は振り返る事なく、洋館の中に入った。
洋館の中は中央に螺旋階段、左右に地下に降りる階段、奥に三つの部屋。
どの場所からも気配を感じるので、それぞれ分かれて白馬を救出に向かった。
中央の螺旋階段には狂花、ハル。
左の地下への階段には凪沙。
右の地下への階段には柘榴と雫。
奥の扉の左から一番目がUNA、二番目が傭推、三番目に輝が入った。
雷空は赤羽にあの少年をどうするか疑問を口にする。
「約束どおり彼を欲しがる依頼主に引き渡すつもりです」
「これでまた貧しい国に学校や病院が作れる、赤羽は高揚感を覚える」
「その前に怪物たちを駆逐せねばなりません」
「ですがこの戦いで私達は死ぬかもしれませんね」
「彼らは眩しすぎる、眩しすぎる光は他の輝く星々を見劣りさせる」