20 世界の声
フィリピン中部セブ島に到着した僕らは高そうなリゾートホテルにチェックインして、すぐにプライベートビーチに行く事となった。
白馬は水着に着替えて海に行くと傭推が準備運動をしていた。
「おや、白馬くん遅かったね」
「庸推さんが早すぎるんですよ」
庸推は血走った目で
「私は美少女の水着姿を見るために頑張ってきたんだ、この時の為に防水カメラを買ったんだ」
庸推はカメラを見せびらかしながら
「高かったんだよ」
とにやけていた。
白馬は傭推のテンションの高さに引きぎみで微笑する。
白馬も準備運動をする事数分、水着を着た女子メンバーが集まりはじめる。
傭推は興奮して
「白馬くん、ここは天国だ」
そんな傭推を女子メンバーは冷たい目で見る。
最後にボスが黒のビキニで現れ、傭推は鼻血を出して倒れた。
倒れた傭推は砂の中に顔以外埋められた。
カメラはハルが没取してスイカ割りの為のバットで叩き割りました。
ミナサが僕の手を引っ張る。
「白馬…どうかな？」
ミナサはワンピースの水着でモジモジしながら上目遣いをしていた。
僕はあまりの破壊力に目を反らし…
「凄く可愛い」
と呟く
ミナサは顔が真っ赤になって
「ありがと」
といつも以上にニコニコしていた。
たくさん遊んだ僕達は誰かを忘れてホテルに戻って夕御飯を済ませる。
夜になり買い出しにサヤ、柘榴、雛は近くのスーパーに行っていた。
その帰り突然周りの街灯が消え、甘い香りがして一人の男が現れた。
「誰だお前は」
と叫ぶサヤ
謎の男は
「おやおや、これは失礼」
と下卑た笑みで、男は話し出す。
「私達は闇営業と呼ばれるグループでして」
「どんな依頼でも金さえ貰えれば受ける世界の声に御座います」
「そして現在のターゲットは貴女方で御座います」
「すぐに終わるとつまらないので遊ばせていただきましょう」
「私の能力は呪術製造、呪術王とも呼ばれています」
「せいぜい足掻きなさい」
「そうですね、まずは自分の手で首を絞めなさい」
サヤ、柘榴、雛は必死に抵抗しようとするが体の自由がきかない、自ら首を絞める。
だんだんと首を絞める力が増し、意識が遠退く。
サヤは薄れゆく意識の中で能力、超感覚を発動させた。
「ボスごめん、私死んだ」
「あの時の約束守れなくてごめん」
サヤは涙が溢れる。
「簡単に諦めるな」
何処かからか声が聞こえ
男の後ろに何かが現れ男の首が胴体と離れる。
「無事か？」
闇から現れたのはボスだった。
サヤはホッとしながら、自分の弱さを悔いた。
柘榴と雛は泣きながらボスに抱きつく。
不穏な風が吹く。
