40 努力
朝になり畑の手伝いをした白馬達は朝食を食べ、修行を開始した。
今回の修行では一切の能力及び称号禁止で、狂花と凪沙が陽真に勝負を挑んでいた。
凪沙の空気を切り裂くような手刀を陽真は流れるように下から持ち上げ、強引に軌道を変える。
陽真のカウンターである正拳突きを凪沙は足の裏で受け止めた。
もう片方では木刀で狂花が一閃するが当たらない、陽真は狂花に斬りかかるり木刀は交差する。驚いた事に狂花の木刀は折れた。
「刀に頼りすぎだ、私が殺す気なら死んでいたぞ」
白馬はUNAと組手をしていた。UNAは受け流すのが上手くて悩んでるうちにUNAの拳が白馬のみぞおちに吸い込まれる。
白馬は激しく咳き込み立ち上がれない、UNAは白馬を蹴り飛ばした。
「甘えるな。白馬立て、敵はお前が立ち上がるまで待ってはくれないぞ。」
修行はお昼ご飯を挟み、夜の十時まで繰り返された。
その夜、白馬はお風呂に入り傷に滲みて痛そうに呻く、それを見ていた梶原は疑問を口にする。
「ど、どうしてそんなに頑張れるんですか?」
「頑張らないといけない事がわかってるからだよ。僕は頑張らないといけない事がわかってて、何もしないのが許せないんだ。」
「でも努力じゃどうしようもないことばかりだと思います。僕は学校に行くのが嫌で、だからと言って働くのも嫌で部屋に閉じ籠りました。」
「僕は社会の歯車になりたくない。大人や親の僕を見る目や態度が嫌いでした。僕は逃げ出しただけの負け犬です。」
「迅さんはたくさんの人に否定され、自分でも否定しているんですね。」
「皆が何故働いてるのか、それは生きる為です。皆、働かないと生きていけないのがわかってるからです。」
「それにこの世界でのホントの負けは諦める事だと思います。迅さんはまだ諦めてないんじゃないですか?」
「ぼ、僕はわからないんだ。何をすれば良いのか、どっちに進めば良いのか。」
「だったら答えが出るまで、後回しにしてたモノをがむしゃらにするしかないと思います。これは貴方自身で解決しないと納得出来ない問題です。」
「そうだね…何の努力もせずに答えを先に聞くのは狡いよね。ありがとう、もう少し考えてみるよ。」
白馬は疲れていたが、日課の走り込みと素振りを繰り返した。
「白馬よく頑張るね。でも無理はしないでね。」
ミナサが優しく白馬を見つめ、タオルを渡す。
「またお風呂入らないとだね。」
「ミナサも疲れてるんだから、僕に付き合わなくて良いんだよ。」
「好きでやってるんだから、勘違いしないでね。」
ミナサは頬を赤くして、そっぽを向いた。
「もっと強くなりたい」
「きっとなれるよ、白馬なら。明日はもっと強くなれるよ。」




