36 風景
今日はトレーニングを早めに切り上げ白馬はシャワーを浴びる。
「あの憧れのSOLAさんに会えるなんて」
「神殺しに入ってホントに良かった」
白馬はスキップをしながら玄関付近をウロウロする。
「…先輩、分かりやすいっス」
天井で静香は白馬の様子を伺っていた。
「白馬のバカっ」
ミナサは影から白馬を眺め、頬を膨らませて自分の部屋に戻って行った。
玄関が開き、SOLAが入って来た。
「おいっーす」
「あれ?誰?新人君?」
白馬は緊張でギクシャクしながら
「し……新人の黒水白馬と申します」
「先輩、キモイッす」
「私はシンガーソングライターのSOLA。よろしくー」
「よ…よろしくお願いします」
「君、何だか面白い匂いがするね」
「面白い匂いですか?」
「職業柄色んな人を見てきたけど、君からは異質な匂いがするね」
「もう少し君と話してたいけど」
「眠さが限界、ごめんね」
SOLAさんはそう言って自室に帰って行った。
「SOLAさんカッコ良かったな…」
白馬はサインを貰うのを忘れていた事を思いだし、ゲンナリしながら部屋に戻った。
凪沙さんの晩御飯を食べに食堂に集まる。
「凪沙ちゃんのご飯食べられるの久しぶり」
SOLAは美味しそうにムシャムシャ食べていた。
「相変わらず良く食べるな」
狂花は豪快に笑うと、SOLAと大食い勝負を始めた。
「くそ、ホントに相変わらず良く食べるな」
「歌うのにはエネルギーが要るからね」
ボスが圧されてる。
白馬は驚き、自分の食事も忘れて観戦していた。
「白馬さん、私の料理が冷めます」
「すいません、凪沙さん」
白馬は気になりながらも食事をする。
神殺しではいただきますもごちそうさまも手を合わせたりはしない。
感謝の気持ちがあれば必要な事ではないという考えだ。
最初は戸惑ったが、確かにその通りだと納得した。
「今回もSOLAの勝ちか」
サヤはニヤニヤしながらハルのデザートであるシュークリームを奪う。
どうやら賭けをしていたようだ。
ハルはかなり悔しそうだ。
「SOLA、しばらくは休めるのか?」
「二週間くらいはお暇を貰ったよ」
「そうか、なら一緒に青木ケ原へ付いてくか?」
「気分転換に良いかもね。あそこ空気が澄んでるし」
「白馬さんは初めてでしたね」
「ボスが修行の為に見つけた場所らしくて、明後日メンバー全員で修行に行く予定です」
ハルさんは優しく笑うと、サヤの食べるシュークリームを恨めしそうに見ていた。




