表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/141

奥編 moglie 27:マスター・スライム戦 La battaglia con master slime

 同居を始めて半月ほど、今日は建国2年渦月(うずつき)9日(9/Spirale/Auc.02)

 依頼(クエスト) “火の山の魔女„ の情報はなかなか集まらない。

 冒険者ギルドでは、この依頼(クエスト)ついては全く教えてくれない。

 たぶんだが、達成した人は次の街に移動してるし、達成できなかった人は考えたくないけど世界(イル・モンド)から退場しているのかもしれない。

 かなり難しいと思われるので、レベルアップにも励む。


 明日に向かう町の西、広い空地がある。冒険者たちが良く魔法の試射とか戦闘(バッターリア)の訓練をする場所になっている。ボクたちも、四人揃ってパーティ戦の訓練というか練習をする。

 ボクたちが組むパーティは、バランスが良いと思う。あと一人加えるとしたら、魔法の攻撃役(アタッカンテ)だけど、よほど気の合う人でないと参加してもらう気にならない。それはみんな同じみたいだ。

 確かに、広範囲殲滅には魔法職が良いけど、サヤの弓やコーリの魔法も結構強い。近距離も遠距離も対処できるので、このまま “火の山の魔女„ に挑むつもりだ。

 準備は怠りなく。


 第三昼刻には早めの昼食にする。最近稼ぎ悪くないし、モンスター・ドロップの食糧もあるので、美味しい食事ができる。

「だいぶ形になってきたな」

「俺もそう思う。フォーメーションは、俺が先頭、次にサヤとコーリ、最後尾にアルフィで固定して良いだろう」

「ボクも同じだね。ダンジョンなら違うのかもしれないけど、罠が多数でなければ今の形が一番良いと思う」

「わたしって、みなさんに付いて行くだけで精一杯です~」

「そんなことはないと俺は思うぞ。だいぶタイミングが合って来たし、あのシャボン玉ボッレ・ディ・サポーネは、思わぬ処で役に立ちそうだ」

「さて、食事を片付けて、練習の再開だな」

「分かった。直ぐ片付けるよ」


 第四昼刻が始まって、コンビの確認をしていた時に、突然周囲が暗くなる。

「あ、これは!」

「おぅ、久しぶりだな」

「暗いの嫌いですぅ」

「みんな落ち着け、どうやらグループ戦のようだ」

 周囲が明るくなると同時に生命の腕輪の効果音エッフェット・ソノーロと共に表示される。

 “インスタンス:マスター・スライム討伐„

「おや? どうやらモンスター討伐?」

「そうだな。まず対象のモンスターを見つけることが先だ」

 見通せる所まで湿地帯が続いている。足元は苔が群生し歩き難い。

 ムッとするような湿気の強い空気だ。気温も高い。早めに勝負を付けたいな。

「スライムというくらいだから、水属性だろうな。水魔法は禁止、風優先だ」

「分かりました。風の加護プロテツィオーネ・ダ・ヴェント!」

 コーリの魔法で黄色の結界(バッリエーラ)がみんなに張られる。

「よし! 俺が先頭だな。行くぞ!」

 ゲッツを先頭に進むと、出て来る出て来る色取り取りのスライムさんたち

「出たな。でも種類が多いね。属性一緒なのかな?」

「試してみます。雷の粒パルティチェッラ・フルミナンテ!」

 キラキラ光る黄色の粒が一面に拡がり、スライムの群に向かう。

「嫌がってますね。全部水属性だと思います」

「よし! 風攻撃だ」

風の波オンデ・ディ・ヴェント!」

 スライムたちは、次々に押し寄せる風に動きを止められ、そこにサラの矢が襲う。合わせてスリング・ショットを放つ。

 弾けて消えて行くスライム! 

 近付くものにはゲッツの槍が貫く。

 間を掻い潜って、緑色のスライムが取付く。直ぐに払い落とされたが、ゲッツ周囲に緑の霧が漂う。

 解毒剤ポツィオーネ・ディジントッシカンテを投げつけると、瓶が割れて緑の液体が散る。

「気を付けて、緑のやつは毒持ちらしい」

「了解だ。優先して倒す!」

 ゲッツの槍先はますます鋭い。

「おうりゃぁ! 多連撃アタッコ・ムルティプロ!」

 激しい連打にスライムの群は一気に削られる。

「しかし、数が多いな」

 そう言いながらサヤは矢を次々に放つ。

回復の微風(ブレッザ・グァレンテ)!」

 コーリの回復魔法がパーティを包み込む。


「居ました!」

 コーリの声でそちらを見る。

 スライムたちの襲撃を退けながら進み、遂に発見する。

「思ったよりも大きいな!」

 サヤの言う通り、大きさは二メートル以上、透き通った青色の巨体を震わせて、こちらに近付いて来る。

「はははっ! こいつを仕留めれば、インスタンスは終了だ。もうひと頑張りだな」

「注意してください~。スライムは物理攻撃に強いはずですぅ」

「毒矢を使う。二連撃(コルポ・ドッピオ)!」

 マスター・スライムに命中した矢から緑の淡い光が拡がるが、直ぐに消し去られる。

「解毒してるな。手強いぞ!」

 声に反応するように巨体を震わせる。

「下がれ! 何か来る」

 ドン! という音と共に、取巻きのスライムたちが出現する。

雷迅(トゥオーノ)!」

 コーリの魔法にかけられてサヤの連打で取巻きを片付けるが、本体は手強い。

「どうやら周囲の水を使って回復しているようだな。ゲッツ、浅瀬に誘導だ」

「了解!」

 ゲッツの挑発にじりじり移動するマスター・スライム

 浅瀬に近付いた所で

地の壁(ムーロ・ディ・テッラ)!」

 スライムを囲い込む。

砂塵(ポルヴェローネ)!」

火の絨毯タッペート・ディ・フォコ!」

 湿地を乾かして水を使えなくする作戦!

 ゲッツに牽制してもらいながら、逃がさないように二重三重に地の壁(ムーロ・ディ・テッラ)を使って囲いから逃がさない。

「今だ! 総攻撃」

 サヤの声に一斉の全力で攻撃を掛ける。

「とぅりゃあ!」

 深々と突き刺さったゲッツの槍にコーリが飛び付く。

雷迅(トゥオーノ)!」

 雷魔法をスライムの体内に直接叩き込む。

 ドォォン! と轟音を発して、表面から二つに割れ、黄色の光を放ちながら消えて行く。

「やったぁ!」

 歓声と同時に生命の腕輪の効果音エッフェット・ソノーロが響く。

 ”インスタンス・クリア:マスター・スライム討伐”


 周囲が暗転し、通常フィールドに戻る。

「やれやれ、苦労したね!」

「結果オーライで良かったじゃないか。訓練にもなったぞ」

「全くその通りだ。連携が上手く行った」

「あれ? 略綬が増えてますぅ」

 青の諧調(グラダツィオーネ)の縞模様、中央にスライムのシルエット

 本体の生々しさなど全くない可愛いスライム・マークだ。

「また一つ勲章が付け加わったな」

「訓練プラス結果、良いことだと思うぞ。俺は」

 まぁ今夜は美味しいものを食べてゆっくり休もう。

次回 「奥編 28:舞花 Fiori ballanti」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ