旦那編 marito 21:追悼と新たな道 Memoria e la via nuova
「ディアいいかな?」
「うん、分かった。多分何とかなる。準備しとくよ」
仕方のないことなのは良く理解できるが、どうしても追悼をしてあげたい。
ディアは全て取り計らってくれた。それでも、追悼に参加することは固辞された。
“直接会ったことないし、仲間内だけの方が本人も喜ぶと思うよ„
建国2年祈月30日(30/Preghiera/Auc.2)
希望の町を見通せる丘陵の上、ミクのための碑が建っている。
碑の前には五人、そして追悼の歌のための吟遊詩人
「今日は、みなさんありがとう。ミクもきっと喜んでいます」
エドが頭を下げ、促されたように竪琴が響く。
「ご指名を頂きました。このジョルジュ・ド・コルヴェ、拙き芸なれど、追悼の歌を謡わせていただきます」
旋律に乗せてミクの想いでが流れて行く。
もう少し一緒に冒険したかったし、話も聞いてみたかった。
何を思ってこの世界に来たんだろう。何を感じてこの世界を生きたのだろう。
一人ずつ碑に近付き、花を一輪手向ける。
はるっち、わたし、良くパーティを組んでいたという二人
最後にエドが名残惜しそうに花を置く。
追悼の歌がゆっくりと終わる。
沈黙の中、風の通る音だけが続いて行く。
ふと思い出したようにエドが語る。
「みんなありがとね。人知れず荒野で退場していく人たちも居るのに、こうやって生きた証が残るのは本当に良かった」
「ありふれた物言いじゃが、ミクの分まで生き抜くのが本当の弔いではないか?」
「銘はこれで良かったかな?」
「よろしいのではないでしょうか。これ以上は必要ないかと」
――ミカエラ・アルムグレン――
あなたを忘れない
追悼に参加していた二人のキャラクタをエドが紹介してくれる。
一人は弓師の長野信越(Shinetsu Nagano)、両手弓を背負っている。
もう一人が錬金術師のカタケルスス・ホーエンハイム(Katacelsus Hohenheim)、薬剤製造をメインにしているらしい。
「よろしく、“ことね„ と呼んで下さい」
「拙は “はるっち„ と呼んで下され!」
「弓師をやっております。気軽に “シン„ と呼び捨てにして下さい」
「何だかご出身が分かるような……」
「それは、ご想像にお任せします」
「初めまして、“カタケルスス„ と呼んでいただければ嬉しいです。“カタ„ とか “ケル„ とか呼ぶ人がいるので」
「変わったキャラ名ですね」
「錬金術師には変わった人が多いので、少し目立つ名前にしようかと思いました」
「小拙は、吟遊詩人をやっております。現在叙事詩創作のため、ことね殿と同行させていただいております」ポロロン♪
いや、竪琴はいいからさ
「おぉ、ジョルジュさんは、ことねさんを主役にされるのですね。お披露目の際は是非呼んで下さい」
「楽しみじゃのぅ」
「そうねぇ、あたしも楽しみだわ!」
いや、いやいや、止めて下さい。切にお願いします。
「ミクさんの導きで知り合いに成れたのですから、機会があれば是非ご一緒に依頼などに行きたいと思います」
信越さん、かなり自信ありそう。
「エドも、今度クエストに一緒に行こうよ!」
「えぇ、そうね。落ち込んでばかりいたらミクに悪いと思うわ」
その機会は意外に早く来た。
次回 「旦那編 22:湿地のレアモンスター Raro mostro di zone umide」




