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日常編 Nella vita quotidiana 12:鰓と肺 Branchia e polmone
「夕飯だよ~」
「お、今夜は何だか豪華だな」
「鯛の頭を潮汁にしてみました」
「で、身は?」
「カマの塩焼きをどぞ」
「これも、美味しいな。で、身は?」
「貧乏なのでアラしか買えません……」
「所得増加に励みます。夫としては少々情けない」
「で、鯛というか魚は鰓で呼吸してるのよね」
「魚系は大抵そうだと思うけど?」
「何で、陸の生物は肺で呼吸してるんだろ? 鰓とは全く違うよね」
「ダーウィンは肺は浮袋から発達したと思ってたらしいけど、最近の研究では、消化管から肺が分離して、それが浮袋に変化したと考えられてるみたい」
「へぇ、水中では鰓使うから、肺で呼吸する必要ないって、浮袋に変化したのかぁ」
「サメなんかは浮袋持ってないから、浮力は肝臓に脂質を貯めることで浮力得てるから、浮袋に比べて、かなり無理してるね」
「生物って根性で生きてるよね」
「根性ある方が生存競争に強いのかもしれない」




