表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

エッセイ

AI小説にはタグをつけてほしいのです

作者: こまの柚里
掲載日:2026/04/27

 はじめにおことわりですが、このエッセイはAI小説の是非を問うものではありません。

 使うか使わないかは個人の自由だと思っています。


 そして、レベルを問うものでもありません。

 AI小説は面白くないという意見をよく聞きますが、私は先日、AIが生成したという掌編を読みました。とてもいい出来栄えで、心に沁みるものでした。

 長編は未読なのでわかりませんが、AIのレベルはどんどん上がっているし、作者の心がけ次第でもっと上がると思います。


 そのうえで言いますが……。


 AI小説には、ぜひともタグをつけて、その作品がそうであることを示してほしいのです。


 タグは内容について使うものでしょ、というお声もあろうかと思いますが、「AIが生成した内容」ということで、広義に捉えていただきまして。

 たとえばBLが好きな人は、そのタグを見て作品を読もうと決めますよね。逆に苦手な人は、タグを見て読むのをやめることを決めます。

 ざまぁとか悪役令嬢とか、シリアスとかメリバとかについても同じ。

 タグはそのためにあると思うんです。つまり読者が選ぶために。


 それなら。

「AI作品を読みたくない人が、タグを見てそれを避ける」という状況が許されてもいいはず。

 逆に「AI興味ある」という人が選ぶ可能性だってあるんだし。

 作品を読んでもらう側の人が、読んでくれる人にタグで中身を教えることは、当然のマナーではないでしょうか。


 これは私個人の事情ですが、私はいまのところ、AI作品を読みたいとは思いません。 

 だって積ん読がいっぱいあるから。積んブクマも山ほどあり、溜まる一方です。それでもつい新しいものに手が伸びてしまうんですが、機械で作ったものを読むくらいなら、人間が書いたものを先に読みたいんですよね。


 それに、読書というのは視力と体力と時間を使います。無限にできるわけではありません。

 特に私なんて、ドライアイで老眼で肩こり、若くないから残り時間だって有限な人なので。

 それらを使ってまで読書して、それが人間ではなく機械生成だったと知った日には……。私の視力を返して、時間を返してってなりますよ。

 いくら無料の読書でも、お金では買えないものがあるのです。


 私の場合、AIだと知らずに読んで、それがつまらなかったときはまだいいんです。

 そもそもつまらなければ最後まで読まないし、短いからうっかり全部読み、あとからAIだとわかったとしても、「なーんだ、やっぱりこの程度なのね」って、ちょっと腹が立つだけ。

 問題は、それに感動したときです。感動したり「この作家さん、うまいなあ」と感心して、その後に事実がわかったら……。


 がっかりする。失望する。なんだか騙された気がしてしまう。


 上手いと思っていた絵が、実は模写だったと知ったときみたいに。

 丁寧だと思っていた手編みの服が、実は機械編みだったと知ったときみたいに。

 心打たれた小学生の作文が、実は先生の添削済みだったと知ったときみたいに。

 これは作品レベルの問題ではありません。作者に対する信用の問題です。


 個人的には、まるごとAI使用ではなく、背景描写だけとかモブ描写だけとかという場合でも、それを明記してもらいたいところ。

 使用割合にも寄りますが、そういう部分にこそ筆力の差が出ると私は思っていて、そこをきちんと書いている作家を尊敬します。

 だから、そこだけAIというのは困るんですね。評価がちがってしまいますから。

 

 それと、もうひとつ大事なポイントがあります。

 それは、AI使用と未使用が混在していると、作品を読んでいて「これって実はAIかな、それとも人力かな」という雑念が入ってきてしまうこと。

 この雑念が出てくると、作品世界に没入できなくなってしまいます。

 まあ、そんなことを考えない読者様が大半かもしれませんが……。でも私は自分が書き手であるせいか、どうしてもそこが気になってしまうんですね。


 漫画の場合、絵が伝える情報、視覚が伝えるイメージは強烈なので、雑念があっても勢いで読んでしまったりします。

 でも小説は、漫画とはちがう。

 単なる文字を、読み手が頭の中でイメージしながら読み進む。つまり読み手のイメージ力がすべてです。

 でも、疑念を抱いているとイメージ作業がうまくいかないし、うまく没入できません。

 そして、没入できない読書体験ほどつまらないものはない。

 まさに時間の無駄。そんなことをするのなら、新聞を読んでいたほうがましです。


 新聞は基本的に事実しか書きませんよね。書いたのがAIだったとしても、事実ならそれでいい。そのための新聞なんだから。

 でも、小説はそうじゃないでしょう?

 だから、読む前に示してほしいのです。作品の出どころが、いったいどこにあるのかを。


 私の考えでは、まるごとAI生成の場合は「作者AI 管理者○○」です。

 ストーリーが自作で執筆だけAIの場合は「原作○○ 文章AI」。

 アイデアだけが自作の場合は「原案○○ 作者AI」


 漫画の世界だと「原作○○ 漫画△△」という表記が普通ですよね。誰もかくしてないし、それで評価が落ちることもありません。

 背景にアシスタントを使うのは普通で、それを公言してもいる。

 だったら小説だって、かくすことはないと思いませんか?


 ただ……。

 この問題の悩ましいところは、いくらAIを使っていても「証拠がない」「作者以外、絶対にわからない」というところですよね。

 創作物の盗作が認められていないのは昔からの常識ですが、盗作が少ない本当の理由は何かといえば、「いつか必ずばれる」「ばれる可能性がある」という恐れだと思っています。


 ゴーストライターが書いた小説があったとして、ライター自身が公表を望んでいなくても、本人は真実を知っている。うっかり口をすべらせる可能性がある。

 ところが、機械はうっかりしません。どこかで口をすべらせて「その作品、実はおれが生成したんだよ」なんて絶対に言いません。

 真実は、機械を使った人間自身にしかわからない。どんなにあやしいと思っても読み手にはわからないし、なろうの運営さんにもわからない。


 本人のモラルに期待して、「タグをつけてください」とお願いする以外に方法がない。


 だから、このエッセイを書きました。



 とりあえず……私が注目しているのは、公式企画の夏ホラーと冬童話です。歴史のあるふたつの企画、どれだけたくさんAIが活躍するのかと思いますが……。リワード目的の人がイセコイより少なそうだから、そうでもないかな?

 童話がAIだらけになるのは、勘弁してほしいなあ。童話祭が好きなので。

 ホラーは私は苦手だから、普通は読まないんですが、AIが書いたホラーってどんなふうだろう。すごく怖そう。または、残虐描写があまりできないから、そうでもないとか?


 もしもホラー企画でタグがついている作品があったら、興味本位で見に行ってしまうかもしれませんね。



お読みいただき、ありがとうございました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ