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第1話 大好き。大好き。だーいすき!

 ズィーとシーと泣きたい気持ち。


 大好き。大好き。だーいすき!


 まっすぐな道があります。

 目には見えませんけど、たしかにまっすぐな光り輝いている道があるのです。

 その道の上を歩いていけば良いのです。

 あなたが愛している人たちと。

 あなたのことを愛してくれる人たちと一緒に。


 十二歳の女の子のズィー


 世界をとっても高いところが見てみると、なんだかいろんなことがいつもとは違って見えたり、感じたり、思えたりする。それはとっても不思議なことだった。

 世界はあんまり変わらないけど、私はどんどんと、毎日毎日、変わっていく。

 だから世界が違って見えるのは、世界が変わったのではなくて、いつのまにかに私が変わったのだと思った。

 それがもしも私の成長のせいであるなら嬉しいなって思ったし、いつまでも今の私のままではいられないんだなって思うと、なんだかとっても悲しくなった。

 そんなことを考えていたからからも知らない。

 小型の飛行機のガラスの窓に映り込んでいる私の顔は泣いていた。(泣きたいなんて全然思っていなかったから、びっくりしたし、すごく恥ずかしかった)

「人はあるところにずっといるわけじゃない。自分もみんなもいろんなところにいっていろんなことを経験していく。新しい人に出会い、新しいものに触れて成長していくんだ。出会いとお別れはそんな風にして、たくさん訪れることなんだよ」

 小型の飛行機を運転しているズィーのお父さんが(ずっと前を見ながらズィーを見ないままで)突然、そんなことを言った。(どうして私が泣いている、あるいは泣いていることはわからなかったとしても、悲しい気持ちになったってお父さんにはわかったんだろうってズィーは不思議に思った)

「もちろんずっと同じ土地にいて、その土地を愛して、土地を守って、土地に守られながら、同じ土地で生活をしているよく知っている人たちとずっと一緒に生きている人たちもたくさんいる。それはとても素敵な生きかただけど、それが正解ってわけじゃないんだ。僕の言っていることも、僕にとっては正解だけど、みんなにとっての正解じゃない。この問いかけには正解はないからね。なにが正しいのことなのか。自分が本当はどう生きたいのか。それを見つけることもズィーの生きかたのひとつの目的なんだよ。ズィーがこれが正解って思ったら、それが正解なんだよ。きっとね」

「うん。ありがとう。お父さん。大好き」

 泣いてしまったこともあって、少し恥ずかしくて顔を赤くしながら、にっこりと笑ってズィーは言った。

 それからズィーはまたガラスの窓の外を見た。

 どこまでも永遠に広がっている青色の空と、そんな空と同じ色をしている大きな大きな青色の海があって、その海の上には美しい緑の自然豊かな島が一つだけ見えた。

 きっと素敵な出会いがある。

 私の生きかたを変えてしまうような。

 私自身を変えてしまうような、そんな『大切な人との運命の出会い』がある。

 きっと、そうでありますように。

 そんなことを神様にお願いしながら、ズィーはずっと小さな美しい島のことを見つめていた。

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