故障
開幕戦富士を終え、第2戦は九州オートポリスで開催されることになっていたが、台風の接近により、開催はキャンセルとなった。
その代替戦がここスポーツランドSUGOで開催されることになった。
「今回はこのセッティングでいいですか?」
「俺的にもこれが一番安定して走れる気がする。」
「私もそう思います。」
その時、立村が聞いた。
「今回のセッティングはどういう感じなんだ?」
「今回は富士とは違ってコーナーが多く、ストレートもそんなに長くなく、多くもないのでコーナーを極力速く走れるセッティングにしています。」
「なるほど…」
予選が始まる。
ここでいきなりトラッソレーシングは好成績を記録する。
今大会エントリーしたのは18台。
そして記録したのは12位。
ここから2台オーバーテイクすればポイントを獲得することができる。
「ここまで良い結果は初めてじゃないですか?」
「だな!」
チームのピットは大盛り上がりだった。
しかし、翌日、その喜びは絶望に変わる。
レースがスタートしていく。
いつも通り様々なエンジン音が響き渡る。
そして20分が経過したころ、ドライバーから悲痛な無線が聞こえてきた。
『ノー…ノーパワー…」
「え…?ノーパワーって?」
青ざめた顔で木下ともう1人のエンジニアはマシンから送られてくるデータが表示されるモニターを見つめる。
「あ!ここ!ターボのブースト圧を見てくれるセンサーがなんか数値がおかしいですよ!」
「ホントだ…多分センサーがバグって、保護プログラムみたいなのでパワーが下がっているのかも…」
「どうします?ピット戻します?」
「でも、走行不能になるほどのトラブルではないんだよな…」
そう話している間にも後続車両にズルズルと抜かれていくトラッソレーシング。
「とりあえず、ドライバー交代を含めた作業を行いましょう。それで第2ドライバーにも走ってもらって走行が困難だったらピットに戻しましょう。」
「そうしますか。」
「峰原さん、この周ボックス、この周ボックスでお願いします」
『わかった。リタイアしない方向?』
「リタイアはしません。この後秋山選手にも走ってもらってから決めます。」
『わかった。』
トラッソレーシングは秋山にバトンを託しレースを続けた。
『ストレートでのパワーが本当にない!どんどん抜かれる!』
「分かりました。残りは3分なので、そのまま走行を続けてください。ゴールまで持って行ってください」
『了解』
結果トラッソレーシングは17位で第2戦の代替レースを終えた。




