帰還
レース後、激戦を戦ったフェラーリがマシンや機材を運ぶトランスポーターに積み込まれていく。
「立村代表、これで一応解散ということにいたします。」
「おう、そうか。」
「お帰りになりませんか?」
「いや、みんなの作業を見届けてから帰るよ。」
メカニックたちがピットの仕切り板、モニター、小物類、488の予備パーツなどをどんどん積み込んでいく。
すると、少し持ち上げるのに手こずっている若手を見つけた。
「大丈夫か?手伝うぞ」
「いやいや、代表に力仕事をさせるわけにはいきません!」
「いいんだよ、Jリーグ時代しょっちゅう色々機材運んでたから。」
そう言いながら荷物を持ち上げる。
「結構重いな。何入ってるのこれ」
「それはヘッドセットが全員分入っています。」
「こんな重くなるのか。」
「代表、エンジニア2名、戦略担当2名、チーフメカニック、メカニックって全部のがまとまりますから、一つが軽くてもかなり重くなりますよ。」
トランスポーターの方に行くと積み込み担当が待っていた。
「よろしく」
段ボールを手渡す。
「あと積み込むものは?」
「もうこれで最後です。ありがとうございます」
そしてトランスポーターのリアのドアが閉まる。
「じゃあ、これで私達はファクトリーの方に向かいます。」
「お疲れ様、と言いたいが、君たちはこれからまた群馬まで運転だもんね。」
「そうですね。まだ休めません。」
「では」
「おう、気を付けて戻るんだぞー」
サイドにTRSSOと書かれたトランスポーターが富士スピードウェイを出発していく。
次の大会は九州オートポリス大会。
チームはここまでに進化を目指す。




