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トラッソレーシング サッカーからレースの世界へ。  作者: 銀乃矢
エピソード1「新時代の幕開け」
3/21

開幕

富士スピードウェイ。


ここでGTワールドチャレンジアジア ジャパンカップが開幕する。




「おはようございます、立村代表。」


「おはよう。ついに今日からだね。」


「はい。2人のドライバーも本気で調整を行ってきました。今、フェラーリは私達の最適解のマシンになっています。」




「あ、おはようございます!」


明るく挨拶してきたのは秋山俊貴選手。


「おはよう。今日の予選、頑張っていきましょう!」


「はい!」




「立村代表、おはようございます」


少し落ち着いた挨拶をしてくれるのは峰原尚樹選手。


「峰原選手、おはようございます、今日から頑張っていきましょう」




明るい雰囲気のピットを見守っていると、木下に声をかけられた。




「立村代表、今回私達のフェラーリにはBoPで車重増加とブースト圧の制限が課せられることが決まりました。」


「BoP?」


「Balance of Power、の頭文字をとってBoP。まぁ、どのチームにも勝つ可能性を用意するための措置ですよ。」




「で、車重増加とぶ、ぶーすとあつ?の制限でなにか変わるのか?」


「まず車重増加で、ブレーキの効きが悪くなったり、重い分タイヤへの負担も増えてタイヤの消耗が早まります。」




「それでブースト圧の制限は、このマシンのエンジンはV6のツインターボなんですが、そのターボが吸い込む空気の量が制限されます。」


「それが課せられるとどうなるんだ?」


「まぁ、ストレートの加速とかコーナーからの加速は悪くなりますよね。パワーが落ちるんですから。」


「なるほど…あれ?うち不利じゃね?」


「そうです。初参戦なんですが、いきなり苦しめられることになりました。」




「まぁ、昨日のセッティングがベストだと2人も話しているのでこれで大丈夫だと思います。」






その会話の1時間後、予選が始まる。


彼らの期待とは裏腹にトラッソレーシングの128号車のフェラーリは伸び悩んでいた。




「タイムが伸びませんねぇ…」


木下とHAYABUSAのエンジニアがモニターを見て厳しい顔をしていた。




現在トラッソレーシングは26台中21位。


「残りの時間も30秒…もう1回のアタックは無理ですね…」


「入れちゃうか。」


「ですね。」




「峰原さん、BOX、BOX」




「木下、BOXってなんだ?」


「BOXはレース用語でピットインを意味します。」


「そうなのか。」




結果、トラッソレーシングは22位で予選を終えた。




トラッソ赤城から生まれ変わったトラッソレーシングの船出は厳しいものになった。



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