夢見た景色。
モニター上のタイマーが0になる。
『秋山さん、この周ファイナルラップです!この周抑えて!!』
「了解!!」
いつにもまして秋山のテンションは高かった。
「秋山さん応援しようぜ」
チームのメンバーたちは峰原と肩を組んでモニターを見守る。
そして秋山はフィニッシュラインに向けて着実に、淡々とマシンを進めていく。
130Rを駆け抜け、日立Astemoシケインへ。
そしてシケインをきれいにクリアし、最終コーナーを立ち上がってくる。
立村たちの夢が叶った。
チェッカーフラッグの下を128号車、トラッソレーシングフェラーリ488 GT3が通過していく。
「やったぁぁぁ!!!」
「っしゃあああああ!」
「あああああ!!!!」
みんな感情が爆発する。
「うっ…ッ…」
嬉しさのあまり涙する者もいた。
そして、ウイニングランを終えた128号車が1stボードの前に止まる。
すると峰原が秋山に駆け寄り、手荒く祝福する。
「おめでとーう!」
そしてマシンの前で立村、秋山、峰原の3人で写真を撮った。
「じゃあ、立村代表、表彰式行きましょう!」
3人で表彰台に向かう。
すると2位と3位の選手たちが祝福してくれる。
「おめでとう」
「やったな」
左右のメンバーと会話し、式典の開始を待つ。
すると、トロフィー授与が始まる。
3位から順に渡されていく。
そしてついに優勝の2人に1位の大きめなトロフィーが渡される。
そしてシャンパンのボトルをみんな手にする。
「それではぁ!スパークリングファイトどうぞー!」
全員がボトルを勢いよく振る。
すると中のスパークリングが飛び出す。
互いにかけ合う。
「あぁ〜!つめた~い!」
「さいこー!」
「ったぁ〜!きもち〜!」
みんなでスパークリングファイトを楽しんでいた。
秋の空の下GTワールドチャレンジアジア・ジャパンカップの最終戦が終了した。
この勝利で、多数のメディアが注目した。
〈サッカーで失敗したトラッソ赤城、トラッソレーシングとして生まれ変わり、栄冠を掴む〉
このような見出しのニュースが続出した。
絶望から復活した異色のレーシングチームトラッソレーシング。
彼らはサッカーの世界で絶望を味わい、そしてレースの世界で栄光を掴んだ。
そう、形は変わっても、努力を続け、願い続ければその願いは実現するのだ。
そしてトラッソレーシングは来年からスーパーGTへの挑戦を決定した。
彼らの挑戦はまだまだ続きそうだ。
トラッソレーシング サッカーからレースの世界へ。 完




