奇跡の連鎖は止まらない。Part2
セーフティーカーの先導もこの周で終わる。
セーフティーカーがピットレーンへとはけていく。
ゆっくりと全車が進んでくる。
グリーンフラッグが振られる。
もう一度レースが始まる。
再び車列がレーシングスピードに加速していく。
秋山は再び首位を奪取するための機会を伺っていた。
「このまま順当に行ければヘアピンかスプーンカーブ、130Rらへんがオーバーテイクスポットになるかな。でも、それに必要なのは前と引き離されないということ。」
彼の前には他チームのM4 GT3が走っていた。
あのマシンは最新のものだから旧世代の488 GT3では劣るところもある。
でも、走らせ方、BoPの次第では旧車が新世代車をオーバーテイクすることだってできる。
そうして2台はデグナーカーブをクリアしヘアピンに向かう。
その時だった。
前方のM4がアウト側の芝生にタイヤを落とす。
そのままブレーキングを開始し、M4が姿勢を乱す。
M4はアウト側めいっぱい膨らんでいき、そのイン側に秋山はマシンを入れる。
そして脱出勝負。
MRのフェラーリはトラクションがよくかかるため加速勝負で軍配が上がる。
一気にトラッソレーシングは首位へ。
さらに大きな歓声がピットで上がる。
「っしゃああ!」
「行けぇ!!」
誰が想像できただろうか。
サッカーの世界で失敗を味わい、新たな世界へと飛び込んできたチーム。
そんな右も左もわからなかったようなチームが今、レースの先頭をリードしている。
2位との差をジリジリと広げていく。
レースは最終ラップへ。




