大荒れの開幕
最終戦鈴鹿大会。
ここでの練習走行から大荒れだった。
強豪でもスピンを喫してしまうほどの大荒れ具合。
ポルシェレーシングササノも130Rで大クラッシュを喫していた。
「笹野さんまで…」
エンジニア2人と立村の3人で見つめる先のモニターには大破したポルシェが映っていた。
「そう考えると俺達のマシンが無事だったのはラッキーですね」
「ですね。」
ピットガレージで練習走行を終え、整備されている128号車を見る。
「このクラッシュの影響もあるでしょうけど、タイム的にも上位に食いついてるんで、結構予選に向けてもいい感じかと。ドライバー2人の意見もプラスな感じで良さそうです。」
「じゃあ、このあとの予選に託そうか。」
午後。
一部のチームが出走を諦めたため、少し台数が少ない。
『予選スタート、予選スタート。』
峰原に木下からの指示が届く。
そしてふと目線を上げるとピット出口の信号が青になっていた。
「よし。行こう。俺の走りを見せてやる。」
128号車がピットを離れていく。
それに続くように後続車たちもコースインしていく。
1周し、タイム計測が始まる。
台数は少ないながらにかなりの接戦が繰り広げられていた。
1位を記録すればそれを他車が塗り替える。
その争いにトラッソレーシングも絡んでいた。
ピットはずっと緊張に包まれていた。
予選終了。
結果は2位。0.003秒差で1位には届かなかった。
「いやー、惜しかったね!」
「あー、悔しいー。」
「峰原さん頑張ってましたよ。かっこよかったです」
「そう言ってもらえると報われるよ」
この鈴鹿大会。奇跡の連鎖が起こる。




