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夢への一歩

北海道十勝大会。


レースはすでに30分を経過していた。

ここからピットインが許可される。


ぞろぞろとピットへと入ってくる。


この時点でトラッソレーシングは4位を走行していた。


あと1台追い抜けば3位で表彰台に立つことができる。


『峰原さん、次の周でピットです。次の周でお願いします』

「了解」



「みなさん次の周入ってくるので準備お願いします。」

「「了解」」


メカニックたちの目つきが変わる。


自分たちの作業次第でレースの結果が変わることもある、ということを理解していた。



次の周、トラッソレーシングのマシンがピットに入ってくる。


そして作業が始まる。

あの日のようなミスも起きない。


すべてが順調に進む。



そして気づけば作業がすべて終わっていた。


なんと規定ピットストップタイムの5秒残し。


少しの落ち着きが訪れる。



そして木下は無線で秋山に指示を出す。

「3、2、1、GO!GO!」


その指示を合図にトラッソレーシングの128号車がピットを蹴り出していく。


木下と立村、トラックエンジニアの3人はいつものポジションにいた。

「このペースでの走行が続けられれば表彰台も見えてきますよ。」

「ですね…あとはブレーキが持てばの話ですが…」

ここまで峰原の力で追い上げてきたが、この際ブレーキをかなり酷使しており、ブレーキの寿命は近かった。


「秋山さん、ブレーキ、タイヤの調子をお願いします」

『タイヤはまだ変えたてだから大丈夫です。ただ、やっぱブレーキの距離が伸びてる感じがします』


「まずいな…でも、あと10分…なら行けるか…」


モニター上の時計は残り10分を表示していた。










「これでファイナルラップ、ファイナルラップです。現在3位です。このままお願いします」


『わかりました、このまま走り切ります。』



そして、ファイナルラップを終え、ストレートに戻ってくる。

メカニック、メンバーたちは今回の初表彰台に大歓喜だった。

「っしゃああ!!」

「やったぞー!」

「いよっしゃあああああ!」


そして、トップ3のマシンたちがピットエリアに戻ってきた。


秋山がマシンを降りてくる。


メンバー一同拍手で峰原と秋山を迎える。



立村が2人に声をかける。

「おめでとう、2人とも」


「「ありがとうございます」」


「さ、立村代表、表彰式行きましょう。」


「え、おれ行っていいの?」


「もちろん、チームの代表なんですから。」




3人で表彰台へと向かった。


そして、3人で3位のトロフィーを受け取る。

「すごいね」

「ですね」

「ですね」


そのトロフィーを3人で高く掲げる。


「すごい、ついに表彰台上がれたね」

「まだっすよ。俺達の目標は表彰台の一番高いところを目指しますよ。」

そしてこのシリーズに参戦して初めてのシャンパンファイトが始まる。


「だっはぁー!冷てぇー!」

「代表まだまだですよー」


2人が立村にシャンパンを思いっきりかける。


チームにとって最高の思い出となった。


次の大会は岡山国際サーキット。


しかし、ここでいきなりチームは地獄に落とされることになる。



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