炎夢螺《ほむら》
見果てぬ夢よ
はかなき夢よ
薄絹纏う淑女のように
灼熱に舞う陽炎のように
触れ得ぬものと分かっていても
惹かれることを止められぬ
愛しくて狂おしい
募るそばから消えゆくものよ
捉えられず
捕らえられず
誰もが描き
誰もが望む
見果てぬ夢よ
果てなき夢よ
天をも焦がす大火となろうと
消えてなおも燻ろうと
その身を滅ぼす焔となれど
惹かれぬことを止められぬ
狂おしくとも愛おしい
小さくなれども消えないものよ
途絶えさせず
咎めさせず
己で描き
己が望む
罪深き夢
業深き夢
見果てぬ夢よ
飽くなき夢よ
幽玄の先の夢幻のものよ
有限の先の無限のものよ
冬野ほたる様より当作品に素敵なバナーをいただきました。
ありがとうございます。