表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FPSの廃ゲーマー(仮)  作者: 山岳地帯
4/8

第3話 初試合 後編







その後、蘇生してもらい、体力を若干だが回復してシールド工場へと向かった。



「これがシールド工場か…」

シールド工場内の見た目は廃工場のような感じで

中央にほぼ立方体の一辺が3mもあるかといった非常に大きな機械があった。

その右側にはベルトコンベアーがありその先には恐らく収納するためのダンボールが下に置いてあった。

機械の側面には1つ赤いレバーがついており、これがシールドを作るために引くものだろうと推測できた。


梯子から天井に登ることが可能で、周囲を一望することができるようだ。

スナイパーだから天井登ってみとこ。




「うし、じゃあシールド工場着いたから周囲の警戒を頼む」


「了解」


「ただ引くだけだと暇だから話しながらやろう」


「わかった

 じゃあ、さっきの敵なんだが俺が弾当てても死ななかったのなんで?

 何?チート?」


「ん?そりゃシールドがあったからだろ

 何でチートなんだよ…そんなこと今更言うのおっさんと小学生しかいないぞ」

 困惑しているような顔で答える。


「いやそれは流石に知ってるネタだよそんなのもわかんねえの?

 俺が言いたいのはなんであの序盤でシールドがあるんだって話」


「うざ

 まあ、それは多分サブ武器に使えるメッドってやつを使ったんだと思う」


「なんだそれ」


「1試合に2回だけ使える、シールド回復専用の武器みたいなやつで

 1回につきシールドが60回復できる」

教えるのが好きな賢三はいきいきと説明してくる。

前世教師だったのか?


「なるほどな

 まあ序盤は強そうだな」


「そうだな序盤にしか使えないから初心者とかだと結構いいかもな」


「俺スナイパーだからサブで持つのはきついな」


「そうだな…っとそういってたらできたぞ3つ

 魔法2つと化学1つだな悪くない」


「お、いいね

 何個合計で作んの?」


「1人5個づつで10個」


「あと70秒か結構時間かかりそうだな」


「まあ1分ちょいだけどね」


「じゃあ作っといて」


「了解、誠心誠意作っとく

 あと、警戒足りてないね敵の足音若干遠くだけどするから倒しといてね」


「は?おまえ…

 いいよやってやんよ」


「頑張ってね〜」


なんかほざいてるやつに心で中指を立てつつ、

J69を構える。

足音から敵の場所は分かったが、草むらで姿は見えない。


と思って探っていると、1人の敵がこちらに走ってくるのが見えた。


すかさず狙って自分の息を止める。

敵の位置まで52m

風向きは東向きで風速2m

ブレを最小限に抑えつつ冷静に判断していく。

敵の位置は走っているために毎秒毎秒動いていく。


どうやったら当たる?ワンチャンを狙って撃つか?

いやそれだと敵に位置がバレて一気に不利になる。

止まったところを撃つか?

いや止まることはないだろう。相手は一刻も早くシールドを作りたい筈だ。


ならどうやったらいい?


…………そうか。わかった。


「なあエレファ。あとどれぐらいでできる?」


「あと40秒だね」


「わかった、それまでに倒し切る」


「お、言うねえ

 初マッチでそこまで言うとは

 まあ期待してるよ」


「ああ、見とけ」





俺はJ69をこちらに向かってきてるやつに一発放った。


ヘッドショット。


そしてコッキングをしてもう一発。

だが、もう1人は胴体に当たり体力は削ったが仕留めるには至らない。

さらに敵は俺の場所に気付いて顔を出さないだろう。


正直結構きつい

『プシュプシュ』


しかもサイレンサー付きのアサルトライフルかよ…

厳し過ぎる。


もう一発当てるしかねえ


『プシュ』


敵が一発だけ放ってきた。

ヘッドショット!?

やばい非常にまずいあと体力は15。

敵も相当削れているだろうが、俺は一発でも当たれば死ぬ。


ここは賭けるしかねえか

敵の場所はさっきのでわかった

なら……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

敵side



『ダンッ』

お、スナイパーなのに上から降りたな

バカなのか初心者なのか?

確かに俺の体力は少ないが武器的に不利であることわかってんのか?

とほくそ笑む。


『ダンッダンッ』


この音はP0000か。

なるほど

ワンチャン狙いか。


連射力は落ちるが一発の威力は高い。


体力の少ない俺が食らったら死ぬだろう。


まあ悪くないがこの武器の弱点である連射力の低さから当たる筈がない。

確かマガジンは十五発だからこれを撃ち切ったあとに草むらから飛び出そう。


『ダンッ』

十三発


『ダンッ』

十四発


『ダンッ』

十五発


よし撃ち切った。

こっちの被弾はゼロ。

勝てる

その瞬間草むらを飛び出して銃口を銀髪の少女に向け、撃つ。


悔しそうな顔をしているが、俺の勝ちは勝ちだ。



「嬢ちゃんスナイパーは上手かったが、俺の勝ちだ

 残念だったな」


と言って確殺を入れようとした瞬間


「さあ、ほんとに勝ちかな?」

と悔しそうな顔から俺を嘲笑する顔になって言う。


「何を」

何を言っているんだと言おうとした瞬間、

視界が黒くなり、マッチ結果の画面が出た。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

慶田side




プレイヤーイア2kill



そうログが流れた瞬間、

緊張の糸が切れ、どっと疲れた。。。。。



「あぶなかったあああああ

 エレファ助けてええええ」


「お、やるねえ」


「だろ?」


「勝てるとは思わなかったわ」

と笑いながら言われた


「舐めるんじゃねえよ

 それはともかくできたのか?」


「結局12個作った。

 化学7個、魔法4個、秘密1個

 まずまずだね」


「おけ

 とりあえず助けてくれ」


「今蘇生する」


「ありがと、あと残りの戦い絶対やんねえから」


「わかったよおつかれさま」


「そういや、俺たち家漁ってないけどいいのか?」


「大丈夫だとはおもう。

 もし必要だとして敵が漁ってたら倒した時にドロップするからね

 ほら、さっき倒した敵のドロップ品があそこに落ちてるだろ?」


「あ、ほんとだ。

 グレネードとフラッシュグレネードの2つある」


「あ、じゃあ俺フラッシュの方貰っていい?」


「おっけい俺はグレネードもらう」


「じゃあ早速この秘密の薬飲んで」


「おまえも飲まなくていいのか?」


「いや大丈夫もう飲んだ」


「ああね、じゃあ飲むわ」


グイッと一口で飲んでシールドが回復していくのを見る。

味はなかった。


「そろそろ安置むかうぞ」


気づけば安置収縮が始まって、安置外にいた俺たちは移動しなければならなかった。


「あれ、あそこに車が不法投棄されてるけど使える?」

そう言いながら指さしたのは草むらに放置されている一台の軽自動車。


「使えると思う。乗るか」


「現実だったら自動運転だけど、このゲーム、手動だろ?

 簡略化されてるとはいえ」


「まあいける」


「ほんとか?信じるけど」


「じゃあ助手席乗って」


「おけ」


俺とエレファが乗ると

『ブーン、ボボボボ』と車のエンジンがかかり、

エレファがアクセルを踏むと動き出した。


案外快適だな

あ、今のうちに体力のほう回復しとこ

包帯巻いて全回復!



とそんなこんなで車に揺られて安置に到着


アナウンス『残り5パーティーです。気を引き締めて下さい』



「もう5パーティーか

 早いな」


「まあ早い時は早いよ」


「なるほどな」


「じゃあいもるぞ」


「おっけい

 車で寝とくわ、敵近づいたら教えて」


「無警戒だなあ…まあいいよ寝ときな」


「ういー」





すやあ







気づけばなにか黒い部屋にいた。

記憶にないような場所で、でも来たことがあるような、

そんな感覚だ。


前から誰かが歩いてくる。

暗闇でよく見えない。


「キミの本当の形はなに?」

と声がした。

不気味なのは俺の声と一緒と言えるほど類似していることだった。


「俺は、俺はこの姿が俺だ。

 他の何者でもない」


「そう、ならいいわ」

と満足したように頷き、また元来た道に戻っていった。








「ぉぃ」


「おい、起きろ」


「優勝したぞ」


「ふぁ?」


「お前が寝てる間に優勝したぞ」


「マジで?」


「マジ」


「接敵したら起こすんじゃなかったのか?」


「いや、俺起こしたけどおまえずっと寝てた」


「あぁ…それはすまんかった」


「いいよ別に勝ったし」


「ありがと」


「んーじゃあマッチ退出するぞ」


「おけ」


『マッチから退出しますか』

はい


では退出します



俺はポリゴンとなり、

荒野には誰一人いなくなった。


「もう1試合する?」


「いやもうやめる」


「そんなら俺もやめるわ」


「バイバイ」


「バイバイ」


『ゲームを終了しますか?』

はい


ゲームを終了しています……

終了しました



そして、俺は元の白い部屋に戻っていた。


『お疲れ様です!

 もうVRを終了しますか?』


「お願い」


『わかりました!

 ではまた会いましょう!

 さようなら〜!』





 VRを終えて、目を開けると現実に戻っていた。


つけていたシートを外した時に異変に気づいた。

若干鍛えていた俺の体の筋肉が落ちているのだ。

中性的な体になっていて、

さらに、髪が長くそして銀髪になっていた。


そこから考えられる一つの結論。

だが、それはあまりにも非科学的なものであった。


「とりあえず、寝るか」


そのあと、めちゃくちゃ寝た。












 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ