序章
初投稿です
稚拙な文章ですがご容赦ください。
「さあ、厳しい地域予選を勝ち抜き、各国のチャンピオンとなった者たちが真の『最強』を決めるために世界大会まで駒を進めたチームが次々と入場し、今始まろうとしています」
という言葉と同時に東京ドームのような会場の熱気が一気に上がった。
観衆は会場の中央の屋上にある超巨大モニターまたはコンクレンズというVR技術を応用させたもので、VRモードと普通のコンタクトレンズを切り替えることができ、見た目はコンタクトレンズなのだが、装着するとそこに運営側が設定した観衆モードでリアルタイムの戦場の状況を見ることができるという優れものだ。
その会場の中央には多くのカプセル型VR没入装置が設置されており、観衆が座っている座席の下にある入場ゲートから選手が入場すると、
「「「「イェーーーーー」」」」
「「「「ウオオオオオオ」」」」
と観客から声援が投げかけられる。
それに応じて選手たちも手を振るなどのファンサービスを行っている。
「いやあここまで長かったですねえ。各国の予選が1ヶ月前でしたから私も首を長くしてこの世界大会を待っていました。この一ヶ月でどこまで成長し、そして他のチームの研究・対策が進んでいるんでしょうか。」
「そうですね、どこのチームも強いですからその研究と対策がどこまで行き届いているかが戦況を大きく変えていくかもしれませんね」
「アメリカの昨年の世界チャンピオンであり、優勝候補である『I and You』は理論派チームですからね
昨年に見せた完璧を追求したプレイを今年も見せてくれるでしょう」
「去年は凄かったですねえ」
「話は変わりますが、このゲームは今世界で一番波に乗っているものですから、英語が話せない私からすれば解説など夢のまた夢だと思っていましたがこの配信に向けて同時翻訳が開発されたというのはゲームの影響力が本当に年々強くなっているなあと感じています。」
「本当に私も日々感じています。
世間話はこれぐらいにして、
一応、ゲームを知らない方がいらっしゃるかもしれないのでご紹介を少しですが させていただきます
このゲームの名前は「One bullet of combat area」略して「OBC」
と呼ばれています。
因みにone bulletは一つの弾丸という意味ですが、荒原の中にいる1人の人間を イメージして命名されたらしいです。安直ですね。」
「いや、そんなこといったらだめですよ… ふふっ」
「笑ってるじゃないですか…
まあそんなことは置いといてですね
OBCの解説を今度こそしましょう。このOBCは基本的にデュオで行われます。実際、この大会もデュオです。自分が選んだ武器で戦場に向かうことができ、マップのランダムな場所に配置されます。ですが、1人1人の配置される場所は少なくとも50メートルは離れており、リス狩りをされることはほぼないです。
ランダムの配置だから作戦を立てるのは難しいのではという声がありますが、ランダムだからこその戦略というのも生まれますさっき言った『I and You』もそうですね。
さらにキルや1位をとるたびにお金が貰え、筋力や素早さなど各種ステータスにつぎ込んだり銃にもカスタマイズが可能。明らかにおかしい個性的なものを作るのもよし、まさに王道な銃を作るのもあり。世界に一つだけの銃を作りましょう!」
「そうこうしているうちにプレイヤー全員がフルダイブ型VRに乗り込みましたね」
「ではお決まりのセリフを」
「ええ」
「「Get into a game!!!」」
「さあ始まりましたOBC本戦
まずは武器選択ですね。その間に注目選手などを話しましょう。
今回の注目選手はやはりチームKarintou gaming所属のシュライン選手でしょう
日本予選大会を荒らしに荒らしましたからね」
「そうですね、eスポーツの出場経験がないもののプロ初めての予選、なんと50チーム、100人のなかで18キルして見事優勝しました。あのキャラコン、エイム、立ち回りどれをとっても圧巻の一言でした。この本戦でも十分にその力を発揮するでしょう。さらに相方のケイショウ選手もシュライン選手のフォローがうますぎましたね」
「それになんといっても日本人選手ですからね」
「そうですね、応援したいですね。しかし、日本は開催国特権で2チーム出場していますから。チームkawaiiもアマチュアながら激戦をのりこえて2位で通過しましたから、こちらも期待したいですね」
「武器選択が終わったようですね。
えぇ、とシュライン選手はメイン武器はサブマシンガン『ダイス No.6』
とサブ武器はリボルバーの『アイスヘッド』です
いつもの編成ですね彼らしいです。
ケイショウ選手はスナイパーライフルの『チワワ』
とサブ武器はサブマシンガンの『トイプードル』ですね。」
「いつも思うんですがケイショウ選手武器に可愛らしい名前つけてますけど
『チワワ』とか性能やばいですからね
凶暴とかそういうレベルじゃないほど暴れますからね」
「ケイショウ選手は犬好きだそうですからね
この前にお会いした時に少し話したんですが、マンションで犬が飼えないと嘆いてました」
「そうですねえeスポーツ選手は犬や猫などペット好きの方が多いですが、ケイショウ選手はその中でも自他共に認める一番の犬好きです」
「さて、試合開始まで10秒前となりました
皆さんカウントだうんをお願いします」
「「「「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1」」」」
「「「「「「「0!!!」」」」」」」
すでにあったまっていた会場はさらに盛り上がっていく
「試合開始です!
まず序盤は回復系アイテムとシールドの補充でしょうか」
「そうですね、初期で持っているのはHP100中25しか回復できない包帯4つですからまずはシールド、応急処置キットの2つが欲しいですね
できればこのタイミングで弾薬を補充し、中盤戦から終盤まで有利に戦っていきたいといった感じです」
開始8秒。
オペレーション「ファーストスナイプキル・ヘッドショット1308mが発生しました」
「は?」
「え?」
突如流れるアナウンス。
開始8秒その短期間に1308mという超遠距離からの狙撃。
たとえ8倍スコープをつけていたとしても140m以上の距離を裸眼でみなければならない。さらに、スナイパーライフルというのはブレがひどくまともに狙っても当たらない。このゲームは物理演算をかなり精密におこなっているため、風向きや風の強さ、気温などなど様々な要素を加味したうえで狙撃である。
これは非常に異様でまた非常に不気味なことであった。
「これは、、、どういうことでしょうか」
「とんでもないプレイが出ていますよ、今」
これはとある男の子?がのんびりしながらも世界を目指す物語である。