色んな意味で破壊力がある幼馴染と
夕飯を食べ終えた僕らは、後片付けの食器を洗い、一通り終えてひと息付いていた。浴槽に湯が張る間にいつものように腕がくっついたまま、テレビを観ていた。
「好きだね、本当に昔から。安芸くんって」
「呆れたような口ぶりなの、へこむんだよな。友恵から言われると」
「安芸くんに呆れたことなんてないよ。情けない安芸くんであっても受けとめるよ。だって私と安芸くんは結婚を約束した仲なんだからねぇ~」
可愛い笑顔を咲かせながら、手の甲をひとさし指でなぞりながら、言ってくる白久。
マジ可愛いんだよなぁ~、白久の笑顔は。
笑顔だけでなく全体的に、全てが可愛くて愛らしいとさえ思えるほどのダメージを与えてくる。
反則なんだよ、ずるいんだよ、火照りそうにさせる彼女の全てが尊いと感じるほどに。
「うっ、うん......まあ、幼い頃のことだからっ──」
煮え切らない返事をして、話題をかえようとしたところで、顔を近付け続きを言わせないように唇を重ねてきた彼女。
「......うぅー、ううっぅー、っはあっ......はっあぁ~。いきなりしないでよ、キスなんて」
上手く呼吸が出来ずにいたのはほんのわずかだった。
「だってぇ、聞きたくない言葉が安芸くんの口から出そうで。私は安芸くんといられる今が幸せだから......これから言わないでね、ああいうのっ」
甘えた声ですり寄る彼女の頬は紅潮していた。
幼い頃もキスは何度かした記憶がある。鮮明ではないにしろ、覚えはある。
その頃のキスに意味を見いだしてさえいないのだから深い意味なんてないけれど、キスを平然としていた二人だった。
僕と白久友恵の二人は。
浴槽に湯が張張ったことを告げる音が鳴り響いたと同時に立ちあがり、白久に促す。
「沸いたからはいってきて。さきに良いよ、友恵」
「今日は久しぶりに。どうかな?安芸くん。あの頃みたいにさぁ」
甘えた声で誘い始めた彼女。
それはヤバい、いくら幼馴染であってもそれだけはっ──




