面識のないギャル
二人掛けのテーブルは空いておらず、仕方なく四人掛けのテーブルで昼食を摂ることにした僕。
全学年の生徒らで騒がしくひしめき合う学食は普段の風景だ。
窓際の隅にぽつんと置かれた四人掛けのテーブルの椅子に腰掛け、親子丼と豚汁、そしてごちゃ混ぜに盛り付けられたサラダの皿を載せたトレーをテーブルに置き、ため息を漏らした僕だった。
親子丼が半分に減った頃、背後から陽気でからかう声がしたと同時に背中に痛みを感じた。
「いつにも増して浮かない顔ですねぇ。相談に乗りましょうか?私が」
「キミ──」
名前を訊ねようと振り返る直前に正面の椅子にギャルが腰を下ろしたので改めて訊ねることにした。
「キミは一体?キミとは面識がない......はずだけど?」
「面識はないですよ。一方的に知ってる感じで、いてもたってもいられなくなって声を掛けたんです。羨ましい限りですよ、貴方の悩みは。おっと、これはこれは悩んでいるかたを目の前に禁句でしたね。すみません、許してください......って、どうしました?呆けた顔をしておいでですけど」
饒舌な喋りをするギャルが一息で続けた言葉の数々に理解が追い付かずに思わず呆けた顔?になった僕。
「......っと。何だったっけ?結局」
と捻り出した返しがこれだった。
「要するに、貴方──安芸先輩の悩みについての相談に乗りましょうか、ということです」
ああ、そうだった。そうだった......?
セン、パイ......ねぇ。センパイ、先輩っ!?
正面でぱちぱちと瞬きしながらにまにまと笑みを浮かべるギャルを見つめ、頬を強張らせた僕だった。




