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清い関係でいたいのに···
「気持ち良かったね、安芸くん......」
「まっまあ......ね。ち、近いよ......友恵」
色気を感じさせる熱を帯びた吐息も漏らしながら、誤解される言葉を発する白久。
片腕を背中にまわしながら耳もとで囁く彼女に平常心が保てそうにない僕。
風呂上がりの男女二人がベッドで身体を寄せ──ってぇっっ、違うちがぁうっ。
いかにも──なシチュエーションでなにやら──な感じはあるが、何も起こっていない。
これまでもこれからも清い関係な二人である。誤解はしないでほしい。
「一緒に寝るのは駄目でも......添い寝、なら」
「いやぁ、ちょっと......」
「なんでなのっ!私の臭い、体臭が気に入らない......じゃ、ないよね?安芸くん」
「違っ!違うって。そういうじゃ......もしっ!万が一があったらイケないから......であって」
うるうるさせた瞳で顔をずずっと近付けながら詰め寄る彼女に思わず視線を逸らしながら返答した僕。
この状況から一分でも早く脱したい。