朝からひどい目に遭わされた
週明けの月曜日、教室で湊川と話していると、教室に足を踏み入れ、近付いてきた白久。
「おはよう、安芸くんに湊川くん......楽しそう。私もまぜてよ」
「おはよう」
「おはよう、友恵が恥ずかしがってたって聞いてたんだよ」
「それは安芸くんが大胆なキスをしてきて......安芸くんが悪いよ、あれはっ!」
「おっ、ちょちょっ、声が大きいって友恵っ!ボリューム下げて、ボリュームをっ!」
慌てて、制しようとしたがときすでにおそしというやつで教室に居たクラスメートが僕らに視線を向けてきた。
はぁー、とため息が漏れたのは言うまでもない。
結局、白久を崇拝する何十もの生徒から囲まれ、痛め付けられた。身体的というのも何割かあるが精神的に──というのがよほどこたえた。
容赦ないんだよな、あの連中らは。
よってたかって痛め付けるなんて卑怯だとは思わないのか、本当に......
湊川は、囲まれたと同時に走り去っていった......見捨てやがって。
白久は白久で二人の女子に安全圏まで連れていかれて、制する声も届かなかった。
ひどい目にあったものだ......白久が口を滑らすのは今に始まったことではないが、直してほしい......切実に。