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勇者様は泥棒だった件  作者: 浦田んぼ。
3/11

世界を救う伝説の勇者(泥棒)

「は?」


驚きを隠せない。


「ちなみに、盗賊の使用出来る武器はナイフだけです。」


え!?片手剣使えないの!?勇者って片手剣を使うもんでしょ!?ナントカソードは!?エク○カリバーは!?と思ったが、一旦冷静になる。


「スキルは?」


スキルは大切だろう。カッコイイ攻撃技の

一つや二つは欲しいところだ。


「えっと、あなたはまだLv.1ですので、使えるスキルは……。」


「盗む、だけですね。」


「そうですか。」


悲しいわ。すごく。攻撃手段が通常攻撃だけなんて。


「まあ、Lvが上がって新たなスキルを覚えることもありますし。とにかく、頑張ってください!」




そして、数時間後。セレンはゴブリン相手にスキルを試していた。


「盗むっ!!」


ピキーン。


「なんだこれ。」


それは、ゴブリンが腰に巻いていたボロきれだった。


「ダメじゃん。」




更に、数時間後。ゴブリンを10匹程度倒したところでふと、気づく。


「Lv上がってるんじゃね?」


セレンは職業カードを確認する。


「Lv.3!」


更に、


「スキル:隠密!!」


隠密とは、3分間誰にも気づかれずに行動できる、完全に泥棒用のスキルである。


「いいこと思いついちゃった。」


セレンは村に戻る。


「隠密っ!!」


そして、1番近い民家に不法侵入。住人は出かけているようだ。誰もいない。まずはタンスに向かう。1000リンを手に入れた。そして根こそぎつぼを破壊する。ほとんどのつぼは空っぽだったが、1つだけ何か入っている。5000リンだ。


「やったー!ヘソクリかな?」


そして、何事もなかったかのように村を出る。


「まあ、勇者が他人の家に盗みに入るのは当たり前だよね!」


当たり前では無い。いつからそうなったんだ。それに、まだ正式に勇者として認められていないのに。


「これでお金は手に入ったな。王都に向かうか。」


セレンは3日かけて王都に辿り着いた。その間、Lvも1つ上がった。


「でっかいなあ。」


さすが王都。建物が綺麗で大きい。


「城はどこだ?」


散々迷ってやっと城に着く。王都広すぎ。


「貴様、何者だ!」


門番の兵士たちが聞いてくる。


「勇者です。」


「大変申し訳ございません、勇者様!すぐにご案内致します!」


なんか、すごいあっさり信じてくれたな。普通はもっと疑うもんだろ。


「王様!勇者様を連れて参りました!」


「入れ。」


ガチャン。扉が開く。


「おお。そなたが勇者か。私はこの国の王、ムッツリーニである。」


髭が長い。いかにも王様だ。というかふざけた名前だ。スケベじゃねーか。まあ、ここは丁寧に。


「勇者セレンでございます。」


王様は例の首飾りを取り出す。


「この首飾りは勇者にしか反応しない。そなたが本当に勇者なら、この首飾りは光り出す筈だ。」


セレンは首飾りを受け取り、身につける。首飾りから眩い光が溢れ出る。


「皆の者!ここに世界を救う伝説の勇者が現れた!今夜は宴じゃ!」


俺、本当に勇者だったんだな。と、いうことは。


「勇者だから、他人の家に盗みに入っても罪に問われない!!!」








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