焦る
「ワックスがけで、遅くなりました。」
部室の扉を開けて開けた。中には、部長さん以外が揃っていた。まあ、百地先輩は見えないけど、どこかにいるだろう。
ロッカールームへ行き、素早く着替え
「行ってきます。」
と日課へ。
「いってら〜。」
「行ってらっしゃい。」
「日課消化。行っておいで。」
見送りの言葉。
「ねえ。今、日向んってさ。」
「?」
小南と問いかけに皆が一斉に顔を向けた。
「スッキリした顔…、って言うか、悩み事してる顔じゃなかったよね。」
「確かにそうですね。」
と、副部長。
「晴れやかな顔してましたね。」
美星が続く。
「秘密解明。きっと、部長の[アレ]の秘密に気が付いたのかと思いますが。」
やっぱり居た百地。
「やっぱり、気が付いたかぁー。」
小南は反り返りながら右手で目を覆い、
「流石と褒めるべきか…。」
と、続けた。
「私達も、うかうかしてられませんね。」
と、副部長。
「だね。うかうかしてられられない。」
右手を目元から、頭に移動させて『ポリポリ』と掻く。
「油断大敵。日向んは、日進月歩。」
と、小さく百地。
「何言ってるんですか、誰がうかうかしてるんですか?」
美星が、からかう様に言った。
「えっ。(✕3)」
図星で、驚いた様だった。
「皆さん。コソコソとあんなことや、こんなことやってるじゃないですか。」
と、ニッコリ。
「な、何の事かな?」
小南が惚けたが、明らかに焦りが見える。
「わ、私もなんの事だか。」
副部長も続く。
「意味不明。なんの事だか、分からないてばよ。」
「何処の忍者漫画主人公ですか。」
百地には、突っ込みを入れた美星。
「私、オペレーターですよ。皆さんの事を一番見てるんですから。」
「そうだった。」
諦めた副部長。
「まだ、内緒で。」
と、小南。
「秘密厳守。お願いだってばよ。」
百地は四文字漢字(熟語とは限らない)に凝っているらしい。なんでも、前に副部長が解説メガネキャラで目立とうとしたので、自分なりのキャラを立てようとしているとか。忍者漫画主人公言葉は、焦って出たとか。
「別に、言ったりしませんよ。」
《美星の心の声》「だって、その方が面白そうなんですから。」と、同じく心の中で笑った。
「戻りました。」
日課を終え、部室の扉を開くと
「お帰り。(✕4)」
が、迎えてくれた。
「さて、日向んも帰って来たしやるかぁ。」
ちょっと怠そうに小南が立ち上がる。
「そうですね。」
副部長さんが立ち上がる。
「部活開始。」
いつの間にか立っている百地。
「では、セットアップしますね。」
と、最後に美星が続いた。




